おおさかナウ

2020年08月22日

コロナから府民の命・暮らし守ろう
共産党府委 地方議員学習交流会開く

 新型コロナウイルスを巡り大阪で連日200人前後の新規感染が確認される中、感染拡大に備える府の独自基準「大阪モデル」で非常事態を示す「赤信号」が一向に点灯しない状況が続いています。日本共産党大阪府委員会は5日、大阪市内で地方議員学習交流会を開き、コロナ感染拡大から府民の命と暮らしを守る運動と9月議会対策、『特別月間』成功に向けた課題などを活発に交流しました。

石川たえ府議団長が報告
府の対策は不十分 実効ある手立てを

 「『第1波』を上回る規模で『第2波』が連日拡大する極めて重大な事態となっている」
 党府議団の石川たえ団長は、6月に1%未満だったコロナ陽性率は、日々変動しながら7月末に10%を超え、今月に入っても高止まりしていると指摘。「第1波と比較して、陽性者数の倍加期間が短くなっている。感染経路不明者も第1波の時以上に増えているのが特徴」と語りました。
 石川氏は、「第1波の教訓が十分に生かされず、感染拡大を食い止める実効ある方策がほとんど打ち出されていないことが、『第2波』を巡る最大の問題点だ」と語り、1日当たり最大2500件とする検体採取と共に、病床確保目標を大幅に引き上げるべきだと指摘。「市中感染が広がっていることを前提に、大規模かつ集中的な対策が必要だ。感染者の後追いにとどまっていては、感染拡大は決して止められない。医療崩壊を招くことがないよう、府民の生命と生活を守るため、実効ある手立てを尽くすべきだ」と強調しました。
 石川氏は、学校現場で感染が広がる現状に触れながら、「三密を避けてとの掛け声だけでは、子どもたちを守れない」と強調。仮に大阪モデルで「赤信号」が点灯すれば、分散登校や短縮授業が実施されることになりますが、「黄信号」では感染防止策を取った上で平常授業のままです。石川氏は現行40人の学級編成基準の問題点を述べ、教員体制の抜本的強化、少人数学級実現を目指そうと呼び掛けました。
 大阪府は7月、長堀通、千日前通、御堂筋、堺筋に囲まれた大阪ミナミの一部区域の飲食店などに、営業短縮と休業を要請。5人以上の宴会・飲み会を控えるよう府民に呼び掛けてきました。
 石川氏はこれら府当局の対処方針を取り上げ、「第2ステージに入ったと言うが、対策は不十分だ。感染拡大を防止して、医療機関や事業所、子どもたちを守る施策を本気で取らなければならない」と強調しました。

低所得ほど苦しい 支援は待ったなし

 石川氏は、府が実施した新型コロナ感染症の影響に関する府民アンケートを取り上げ、特別定額給付金を生活費に充てると回答した人が45・2%に上ると指摘。「収入の不安を抱える府民が大幅に増えている。低所得者層ほど収入が減っているのが特徴だ」と語りました。
 正規雇用でも収入減見込みと回答した人が3割に達したとし、今後さらに収入激減など深刻な影響が見込まれる派遣やパート・アルバイトへの支援策拡充が必要だと述べました。
 石川氏は、4~6月期の業況判断指数など、急速に悪化する景気動向を示し、コロナ関連の倒産が増加していると指摘。「廃業事業所はさらに広がっていると推察され、ぎりぎりのところで踏ん張っている事業者も多い」とし、休業・時短要請に応じた事業者への新たな給付金(府市折半・1日当たり2万円)は、最大30万円で対象事業所も支給基準も不十分だと語りました。

「第2波」への対策を取る必要がある

 石川氏は、大阪府に対し第6次にわたって緊急要望を重ねてきたと述べ、▽すべての医療・介護・福祉・保育従事者にPCR検査を定期的に行う▽感染者病床確保目標の大幅引き上げと無症状者の宿泊施設確保▽受け入れ医療機関への補償▽マスク、防護服など医療資材の確保▽保健所の体制強化――など「第2波」の緊急対策を取る必要があると述べました。
 学校教育を巡っては、不安とストレスを抱える子どもの学習と成長を支える対策が必要だと語り、消毒や清掃など校務を支援する「スクール・サポート・スタッフ」の全校複数配置、教育課程の見直し、養護教諭配置などの必要性を指摘しました。

「都」構想ではなく府民に目を向けよ

 石川氏は、専門家の異論や対案を押し切って、「大阪モデル」を繰り返し基準緩和した府の対応について、「住民投票を実施するため『赤信号』を点灯させないのが基準緩和の理由とされる」と批判。「都」構想に関わる市民意見を聞く「出前協議会」が中止され、7月31日の法定協開催に引き続き、今月予定される議会日程に触れながら、「コロナで苦しむ府民の現状に目を向けず、『都』構想のための住民投票に金も時間もかけるのが府政の実態だ。第2波を抑え込み市民の命を守っていくにはどうするか、知恵を出し合い頑張っていきたい」と語りました。

(大阪民主新報、2020年8月23日号より)

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