おおさかナウ

2020年08月22日

新型コロナ対策
医療機関支援で検査体制拡充へ
「八尾モデル」全会一致で
日本共産党八尾市議団長 田中裕子

 八尾市7月臨時議会で、新型コロナ対策のための27億円の予算が全会派一致で成立しました。概要を八尾市議団の田中裕子団長に寄せてもらいました。

7月臨時議会で成立

 八尾市7月臨時議会が10日間にわたり開かれ、新型コロナ対策のための27億円の予算が全会派一致で成立しました。臨時議会の開催は日本共産党市議団や市民団体が求めていました。
 今回の議会では、八尾保健所が提出した資料でリアルな実態が報告され、議会で感染状況を共有、感染対策が大きく前進しました。

医療機関への支援で検査体制・外来を拡充(八尾モデル)

s-2019田中ゆうこ 八尾保健所からは、「第1波に比べると4倍の速さで拡大。困惑している」「明らかに第2波が到来している」「無症状、軽症の若年層が多く、中高齢者への浸透を防ぐ必要がある」など、無症状感染者が感染を拡大をしているという報告が次々とされました。
 「大阪市に隣接する市は陽性率が高い。八尾もその一つ」など、大阪市を中心に感染が拡大している実態も報告されました。
 今回の補正予算では、検査の増強・発熱患者の診療体制を拡充するため、「八尾モデル」として、現在の帰国者・接触者外来に加え、地域の医療機関でも新型コロナ患者を診察できる病院を増やすため、まず救急告示病院に働きかけるための、1病院当たり平均5千万円の支援金を支給します。
 ○現在府内8カ所ある地域外来・検査センターの機能を、八尾でも導入することを検討中であること、○保健所の人員体制の強化のため職員を募集すること、○新型コロナ専用の救急車の常備など先進的な取り組みも報告されました。
 また、検査数、感染者数、陽性率を情報開示しているのは、大阪府と大阪市、堺市、八尾市のみです。情報開示は感染対策の土台です。すべての市町村で開示させていくことが必要です。

製造業や赤ちゃんへの支給金、体育館にクーラー設置

 さらに、○八尾の地域産業の中核である20人以下の製造業(2660事業所)に対し、15%以上の減少で30万円を支給すること、○4月28日以降生まれた赤ちゃんに対して10万円支給すること、○小中学校全ての体育館にクーラーを設置する予算も可決されました。
 残念ながら、少人数学級への予算はほぼなく、教職員の負担軽減のためのスクールサポーターの、各学校への1人配置にとどまりました。

緊急のPCR検査拡充など要望、9月議会もまもなく始まる

 感染拡大震源地を特定し、大規模PCR検査を実施し、無症状感染者を保護・隔離・治療することが必要です。大阪の陽性率を大阪市とその他で細かく捉えることが重要です。大阪市は「都」構想や住民投票ではなく、一刻も早く24区別の陽性率など情報開示をし、震源地の特定をして手を打つべきです。それをしなければ衛星都市にさらに感染が広がり、クラスターを潰してもきりがないほど市中感染的状況が拡大する可能性があります。
 八尾市では、想定していたPCR検査数の40%しか検査が行えていません。クラスターが発生している高齢者施設や学校でも、全員PCR検査を実施しようとしていません。
 日本共産党は、大松桂右市長に対し、検査体制の拡充、少人数学級など要望しました。まもなく9月議会も開かれます。第2波を科学的に「正しく恐れ」ながら立ち向かい、命と暮らし、営業を守るために全力を尽くします。

(大阪民主新報、2020年8月23日号より)

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