希望ある未来を切り拓こう
コロナ禍・「大阪都」構想・住民投票…
アベでも維新でもない新しい政治を
第2回「政策フォーラム」 大阪の5野党が議論
「コロナ禍を乗り越え、希望ある未来を切り拓こう。アベ政治でも維新政治でもない、新しい政治を」と、大阪の5野党の代表が勢揃いする第2回「政策フォーラム」が22日、大阪市中央区内で開かれました。平松邦夫元大阪市長ら6氏が呼び掛けたもの。今回は日本と大阪の政治、「大阪都」構想と住民投票をテーマに活発に議論しました。
民主主義を否定する安倍政治と維新政治
大阪大学 木戸衛一教授
日本共産党の清水ただし衆院議員、立憲民主党府連代表代行の森山浩行衆院議員、国民民主党の吉田治元衆院議員、社民党府連の大椿裕子副代表、れいわ新選組の大石晃子大阪第5区総支部長が出席しました。
第1部では呼び掛け人の一人で大阪大学の木戸衛一教授(ドイツ現代政治・平和研究)が「揺らぐ日本の民主主義―ドイツと比較して日本の政治を考える」と題して問題提起。安倍政治と維新政治を拒む理由の一つとして、少数者の尊重や参加、自治を否定する反民主主義を挙げました。
維新が狙う大阪市廃止の「都」構想は、住民投票という民主主義の制度や手続きを利用して、民主主義や自治を破壊するものだと批判。新しい政治の展望にかかわって、2019年5月に「市民連合」と立憲野党各党による13項目の政策合意の意義を強調するとともに、「ポスト資本主義の社会について構想する力も政党に求められている」と述べました。
これを受けて野党代表からは、「市民と野党の共闘が広がり、コロナ対策も実現。当初予算や補正予算で野党は組み替えを提案したが、政権を共にする志がなければできないこと」(清水氏)、「13項目(の政策合意)を中心に、皆さんと手をつなぐ。次期総選挙が大きな分水嶺。力を合わせてやっていきたい」(森山氏)、「野党の皆さんと手を組んで、未来のために訴えていく」(大椿氏)などの発言がありました。
コロナに取り組む時 住民投票やらないで
西淀病院 落合甲太副院長
第2部では西淀病院の落合甲太副院長が、「コロナ第2波に備えて医療現場から訴える」と題して、ことし2月以来の同病院の状況や取り組みを詳しく報告。「ポストコロナ」に向けて第1波を総括し、第2波と格闘し、インフルエンザと同時にやってくるかも知れない第3波に向けて、みんなで力を合わせて乗り越えたいと述べました。
住民投票について、「『都構想賛成』の人も含め、お願いだから今はやめてほしい」と力説。「コロナに取り組んでいる真っ最中であるこんな時に、後戻りする法律のない大阪市の解体を、判断すべきではない。効率や経営重視の医療から、安全性や危機に耐えうる成熟した医療へ。大阪府のエンジン、成熟した都市・大阪市を目指すべき」と訴えました。
野党の代表からは「大阪市廃止・分割を絶対に許してはならない。医療や介護、障害者福祉、教育などに人をお金を集中する明るい大阪をつくろう」(清水氏)、「人の命よりも、住民投票に勝つためだけにやっているのが維新だ」(吉田氏)などの発言が続きました。
「政策フォーラム」は動画投稿サイト「ユーチューブ」で視聴できます。
大阪から政治・社会のあり方問う
「市民と野党の共闘」さらに
「政策フォーラム」って?
平松氏、石田法子弁護士、木戸教授、大阪市立大学の伊地知紀子教授、東大阪生協病院の橘田亜由美院長、浪速産業株式会社の中野雅司社長の6氏はことし6月13日、「市民アピール」を発表しました。これを受けて大阪の5野党が出席して第1回「政策フォーラム」を開催。大阪で立憲野党が勢ぞろいして、オープンな場で政策協議を行うのは、これが歴史的にも初めての機会となりました。
同アピールは、新型コロナウイルスの感染拡大は世界恐慌の再来を招くだけでなく、政治や社会のあり方を問い直す機会を与えていると指摘。安倍政治と維新政治が進めてきた公的部門の廃止・民営化、貧困と格差を広げる新自由主義政策に疑問を持ち始めている人も多く、大阪から政治や社会のあり方を問い掛ける動きを始めたいと表明しています。
その上で、①住民の命と健康、暮らしと営業・雇用を守り、子どもたちの学ぶ権利の補償を②カジノ・「大阪市廃止構想」を抜本的に見直し、大阪経済を立て直そう③「市民と野党の共闘」をさらに広げ、希望ある日本と大阪を切り拓こうと呼び掛け。「政策フォーラム」を積み重ね、共通政策を練り上げるとしています。
(大阪民主新報、2020年8月30日号より)