「安倍政治」継承の菅政権に審判下し、新しい政治を実現しようと呼び掛ける辰巳氏、内海氏ら＝18日、大阪市都島区内

　「『安倍政治』を終わらせ、希望ある新しい政治を開こう」。菅・新政権が発足し、所信表明もないまま臨時国会が閉会した18日、日本共産党大阪府委員会は大阪市の京橋駅前で街頭宣伝し、「野党連合政権を実現し、国民の命と暮らしを守る政治を実現しよう」と呼び掛けました。
　同党の辰巳孝太郎前参院議員は、森友疑惑を巡る公文書改ざん疑惑の中心にいるのが当時、官房長官だった菅首相だと指摘。森友疑惑で命を絶った近畿財務局職員遺族が「真実が知りたい」と国家賠償請求訴訟に立ち上がったことに触れ、「財務省の内部調査ではいっさい真相は明らかにされていない。安倍政権が終わったと疑惑にふたをすることは許されない」と解明に全力を挙げる決意を述べました。
　菅首相が会見などで示す「自助・共助・公助」の考え方を批判し、政党助成金導入と企業団体献金を二重取りし、高等教育無償化や福祉職の賃上げに背を向けてきた自民党政治を大本から転換するべきだと強調。「コロナ禍で政治の中身の変革が求められている。自助だと言って『自己責任』論を押し付け政治が果たすべき役割を放棄してきた『安倍政治』をきっぱり転換しよう」と呼び掛けました。
　同党の内海公仁府議は、新型コロナ感染拡大で東京より厳しい実態にあるのが大阪だと語り、大阪市内の感染者（人口10万人当たり）は衛星都市と比べて感染者がはるかに多いと指摘。提案された補正予算は国の提案メニューに準じたものに過ぎず、独自のＰＣＲ検査体制強化など、現場の実態を踏まえた予算措置が必要だと強調しました。
　維新政治が狙う大阪市解体計画の狙いは、市民の税金と街づくりの権限を大阪府知事に集中させ、夢洲開発とカジノ誘致、大阪中心部の巨大開発を進めることだと批判。「住民一人一人の暮らしと中小企業の経営を応援する政治を再生しよう」と訴えました。
　大阪女性後援会の中原美江さんは、平和と子どもの幸せ、ジェンダー平等を求める立場から日本共産党への期待を述べました。
　多くの市民が足を止めてビラを受け取り、弁士の訴えに耳を傾けました。「都構想は絶対に反対や」と激励してカンパを寄せた市民も。70歳の男性は、辰巳氏の訴えを聞き、「市バスの路線が削減されて、天満橋で乗り継ぎ通院をしている。身近な住民サービスを後退させる維新政治を変えてほしい」と訴えました。

(大阪民主新報、2020年9月27日号より）