「安倍政治」の決着は総選挙で
共闘勝利・共産躍進で新しい日本をつくろう
山下副委員長が街頭演説
早い段階での解散・総選挙の可能性をはらむ情勢の中、日本共産党府委員会が11日夕、大阪市北区・梅田で街頭演説を行いました。山下芳生副委員長・参院議員が、衆院比例近畿ブロック候補の、こくた恵二衆院議員(京都1区重複)、宮本たけし前衆院議員(大阪5区重複)、清水ただし衆院議員(同4区重複)、こむら潤尼崎市議(兵庫8区重複)と共に訴えました。
「安倍政治」の継承を掲げて
山下氏は、安倍晋三首相の辞任表明はあらゆる面で「安倍政治」が行き詰まった結果だと指摘。最大の行き詰まりは、安倍氏の悲願だった9条改憲ができなかったことで、「これを許さなかったのは、何よりも国民の世論。昨年の参院選で『安倍9条改憲反対』を掲げた野党共闘が議席を伸ばし、自民・公明・維新が参院で3分の2を割り込んだことが、決定的な痛打になった。このことに確信を持って頑張ろう」と語りました。
自民に二重の行き詰まりが
「安倍首相は辞めても『安倍政治』は続く」と山下氏。菅義偉氏が「安倍政治」の「継承」を宣言して総裁選に出馬すると、自民党国会議員の大半が雪崩を打って「菅支持」を決めたとし、「行き詰まった『安倍政治』を継承するしかない自民党は、二重の行き詰まりに陥っている」と強調。「『安倍政治』との決着は、総選挙でつけようではありませんか。市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で政権交代を果たし、新しい日本をつくる選挙にしましょう」と呼び掛けました。
新自由主義の転換を旗印に
山下氏は、新型コロナ危機をすべての国民が体験する中で、日本の政治の対決軸がはっきり見えてきたと強調しました。菅氏の政治理念である「自助・共助・公助」は、医療・福祉を削減し、自己責任を押し付ける新自由主義を象徴する言葉だと指摘。新型コロナの下で破綻が明らかになった新自由主義の路線をこれ以上続ければ、日本の社会は完全に壊れてしまうと述べました。
「新自由主義を終わらせて、新しい日本をつくろう」と、日本共産党が掲げる「ケアに手厚い日本」「人間らしく働ける労働のルールをつくる」はじめ「7つの提案」を紹介。「これらは当たり前の要求だが、実行するには自民党政治を変えなければできない。異常な財界中心、アメリカ言いなりという自民党政治の2つのゆがみをただす根本的改革を展望し、7つの提案の実現に力を尽くす」と表明しました。
山下氏は、立憲民主党などが合流して生まれた新党の枝野幸男代表が、「新自由主義的な社会を変え、命と暮らしを守る、支え合う社会をつくっていこう」と発言したことに賛意を表明。「来る総選挙で、新自由主義からの転換を、野党共闘の旗印として堂々と掲げ、自公政権に代わる、希望ある新しい政治への展望を開こう」と語りました。
「特別区」でサービス低下必至
立場超えた共同で大阪市守る
山下氏は、「大阪都」構想の是非を問う住民投票(10月12日告示、11月1日投開票)に言及。大阪市を廃止して4つの「特別区」に分割されれば①政令市・大阪市の財源が府に吸い上げられ、「18歳までの医療費助成制度」「敬老パス」などを維持することは困難になり、住民サービスは必ず低下する②介護保険などは「特別区」が共同で担う(一部事務組合)ため、「介護保険料を下げてほしい」など住民の声が直接届かない③都市計画の権限が府に奪われ、立派な景観を誇る御堂筋のような、統一した街づくりができなくなること――の3点を指摘しました。
山下氏は「いいことは一つもない。力を合わせて大阪市を守りましょう。大阪市の豊かな権限・財源を、何よりもコロナ対策、市民の福祉、街づくりのために生かそうではありませんか」と強調しました。
維新は新自由主義の大阪版
さらに維新が「二重行政の解消」の名で住吉市民病院を廃止したが、「命を守る病院が二重にあることは、府民・市民にとって一番の安心」と力説。維新府政が府立病院をいち早く独立行政法人化して財政支援を削ったとし、「新自由主義の大阪版が維新府政に他ならない。それをもっと露骨に進めるのが『都』構想だ」と批判しました。
山下氏は「130年の歴史と伝統を持ち、豊かな文化を育んできた大阪市。立場を超えた共同で今度も守り抜き、市民の命と暮らし、文化を守る、新しい歴史を一緒にスタートさせましょう」と語りました。
(大阪民主新報、2020年9月27日号より)