2020年09月20日
大門実紀史の国会レポート
今度こそ新自由主義からの転換を
菅義偉さんは、私が対峙(たいじ)する9人目の首相です。ただ、1人目の森喜朗さんは、クリントン米大統領(当時)に「ハウ・アー・ユー(お元気ですか)?」と言うのを間違えて「フー・アー・ユー(あんた誰)?」と言ってしまうような人で、対決する前に自滅しました。
2人目の小泉純一郎さんからが本格的な論戦相手でした。彼は弱肉強食の新自由主義(構造改革)を一気に押し進めました。当時、新自由主義と正面から対決した政党は日本共産党だけでした。
小泉さんの跡をついだ安倍晋三さんは病気で辞任。そのあと福田康夫さん、麻生太郎さんと首相が変わりましたが、新自由主義がもたらした貧困と格差の拡大を放置し、とうとう自民党は民主党に政権を奪われました。しかし民主党政権(鳩山、菅、野田首相)も、新自由主義的政策を堅持したうえに消費税増税に道筋をつけるなど、国民の期待を裏切りました。
政権を奪還した安倍晋三さんは株価引き上げの「アベノミクス」で国民に幻想を振りまきながら、雇用の流動化、社会保障削減などさらに新自由主義を徹底しました。そしてまた「自助」を第一に掲げ新自由主義を継続しようとする菅政権が誕生します。
しかしコロナ禍をうけて新自由主義にたいする国民の批判が強まり、立憲民主党も新自由主義批判の立場を明確にしました。総選挙にむけて市民と野党の共同をさらに広げるなら、今度こそ新自由主義からの転換は可能だと思います。(だいもん・みきし 参院議員 第3週掲載)
(大阪民主新報、2020年9月20日号より)