住民投票、菅政権…野党代表が討論
政権交代目指し本気の共闘を
第3回政策フォーラム開く
平松邦夫元大阪市長ら6氏の呼び掛けた第3回「政策フォーラム」が3日、大阪市中央区内で開かれました。日本共産党の清水ただし衆院議員、立憲民主党府連副代表の尾辻かな子衆院議員、社民党府連常任顧問の服部良一元衆院議員、れいわ新選組の大石晃子大阪第5区総支部長が出席。大阪市を廃止して「特別区」に分割することの賛否を問う2度目の住民投票(11月1日投開票)や維新政治、「安倍政治の継承」を掲げる菅政権とのたたかいについて、活発に討論しました。
大阪市は消滅 元に戻せない
清水氏は、住民投票は「大阪市廃止の片道切符」で、「賛成」が1票でも多ければ大阪市は消滅し、二度と元に戻すことはできないと強調しました。維新が「二重行政」の例として挙げる旧WTCビルとりんくうゲートタワービルは、政治の中身の失敗だと指摘。大阪市を廃止してやろうとしているのは、カジノや巨大開発などの無駄遣いだと批判しました。
尾辻氏は、コロナ禍の中で住民に対立と分断を生む住民投票はとんでもないとし、「事実を伝え、つながり合って、自治を守るために頑張りたい」と表明。服部氏は、韓国の自国民向けカジノ「江原(カンウォン)ランド」の実態も示し、「カジノで経済発展は絶対あり得ない」と力を込めました。
大石氏は、カジノ誘致など外需頼みの維新の「成長戦略」ではなく、府民の暮らしを支える経済政策こそ必要と語りました。
呼び掛け人の浪速産業株式会社社長の中野雅司氏は、維新政治で公務員を減らし、緊縮財政を進めたことが大阪の経済を疲弊させたとし、「維新の経済政策は間違いだ」と力説。大阪大学の木戸衛一教授は、府民の生活は苦しいが「大阪の成長」という言葉に踊らされる理由の一つに、大阪のメディアが維新の主張を無批判に伝えている問題があるとしました。
新しい政治の選択肢を示す
国政問題で清水氏は、7年8カ月続いた安倍政治の転換が国民の思いであり、菅政権と国民との矛盾は激化せざるを得ないとし、市民と野党の共闘を広げ、今の政治に代わる選択肢を示して政権交代を実現したいと表明。菅義偉首相による日本学術会議への人事介入は、憲法に照らして許されない前代未聞の暴挙だと述べました。
尾辻氏は、菅首相の政治信条である「自助・共助・公助」に触れ、「普遍的な福祉が必要なときに、トップが『自助』を促すのは政治の否定だ」と批判。服部氏は、「ポストコロナの社会に向けた明確なメッセージをつくり、政権交代を目指して本気の野党共闘を」と語りました。
木戸氏は、日本学術会議の人事介入は強権政治の露骨なあらわれだと述べるとともに、野党が互いの個性を生かしつつ、さまざまな政策とともにグランドデザインを描いてほしいと提案。中野氏も、野党共闘のイメージが必要で、多くの国民に伝わる「共通の言語」をつくることが大切だと語りました。
菅政権・維新政治を終わらせる
「大阪項目」(政策要望)を提起
平松氏はじめ呼び掛け人6氏はことし6月、「コロナ禍を乗り越え、希望ある未来を切り拓こう~アベ政治でも維新政治でもない、新しい政治を」と「市民アピール」を発表。共通政策を練り上げることを目指して、大阪の野党が勢ぞろいする「政策フォーラム」を重ねてきました。
今回、平松氏が「アベ政治を継承する菅政権と維新政治を終わらせるための政策要望・大阪項目(案)」を提起しました。次の4項目からなるものです。
①大阪市を廃止・解体する「都」構想に反対し、大阪で維新政治を終わらせ「住民福祉の向上」目指す本来の自治体を取り戻す②大阪でのカジノ誘致に反対し、ものづくりの街の伝統を生かし中小企業が地域を支える大阪を目指す③新型コロナの感染拡大が収束しない下で、大阪府が市町村と協力してPCR検査の抜本拡充・医療・介護現場への支援、中小企業・個人事業者への補償などコロナ対策を拡充・強化する④「勝ち組、負け組」「対立と分断」を煽る社会から人情味ある大阪の街を取り戻し、多様性を尊重した大阪をつくる。
(大阪民主新報、2020年10月11日号より)