2020年10月16日
大阪市議会 19年度公営・準公営企業会計を認定
カジノ誘致・巨大開発認められぬ
井上議員が反対討論
大阪市議会は8日の本会議で、2019年度公営・準公営企業会計決算を、日本共産党以外の賛成多数で認定しました。日本共産党の井上浩議員が反対討論に立ち、各決算には大型開発に前のめりとなり、民営化を進めて公的責任を後退させる姿が表れていると批判しました。
港営会計について井上氏は、大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)は、埋め立てた土地を物流施設用地として売却して収支の安定を図る見通しだったが、カジノを核とする統合型リゾート(IR)構想が浮上したため、売却が見送られたと指摘しました。
コロナ禍でIR誘致が不透明になっている中、誘致が不成立になれば「資金不足に陥る可能性がある」と市も認めていることを示し、「夢洲は引き続き、産業廃棄物処分地、物流基地として活用すべきであり、リスクだらけのIR誘致とそのための巨大開発は決して認められない」と述べました。
水道事業では、南海トラフ巨大地震などに備え、管路の耐震化が急務なのに、19年度末で耐震化は30・8%と極端に遅れていると強調。「必要な技術職員を増やすなど、公の役割を明確にして、市民のための安全・安心の給水に専念すべき」と主張しました。
下水道事業では、法定耐用年数の50年を過ぎた管渠(かんきょ)の割合は40%で、東京都や人口150万人以上の政令市の平均(15%)と比べて高く、老朽管対策は遅々として進んでいないと批判。台風や集中豪雨に備える「雨水対策整備率」は8割に達しているが、17年度からの3年間の進展はわずか0・4%だとし、整備を急ぐよう求めました。
(大阪民主新報、2020年10月18日号より)