2020年11月15日
大門実紀史の国会レポート
特等席から見た菅首相
11月5日の参院予算委員会では小池晃書記局長の隣でパネル係をやりました。他党のパネル係は新人議員が多いのですが、わが党はベテラン議員もやります。私なんか「大門さんが横にいてくれると安心だから」などと言われると、喜んでやります。
パネル係の席は質問を傍聴する「特等席」です。自分が質問する時は答弁者を観察する余裕などありませんが、パネル係だと答弁者の細かい表情の変化まで読み取ることができます。
日本学術会議会員の任命拒否問題では、菅首相がまともに答えず、審議は12回、30分以上も中断しました。意味のない答弁を繰り返すうちに、菅首相の目がだんだんうつろになり、思考が停止したように表情が無くなっていくのがわかりました。少し心配になって、小池さんに「次に進めては」と声をかけると、小池さんも「そうだね」と応じました。
しかしそもそも自業自得です。菅首相は戦争に反対する学者の声が邪魔で仕方がない。だから学術会議を標的にして学問の自由へ介入を始めた。しかしそんな意図は公然とは言えない。言えないからごまかす。ごまかすから苦しくなる。不実という一点でも、菅首相は辞任に値します。
審議中断で小池さんの予定した質問が半分以上出来なくなり、用意した7枚のパネルはすべて使わずに終わりました。
パネル係として座っていてパネルを掲げなかったのは初めての経験。「大門さん、何のためにあそこにいたの」と、あとで皆に笑われました。(だいもん・みきし 参院議員 第3週掲載)
(大阪民主新報、2020年11月15日号より)