区役所へバスで行けない!
橋下大阪市政が路線廃止・大幅減便
路線復活へ住民が運動 署名5千筆余 市議会へ提出
大阪市淀川区西部の塚本地域では、橋下・維新政治がバス路線を廃止したことで、区役所へ直接行くバスが無くなり、多くの住民から不満の声が上がっています。そんな中、地元の日本共産党支部と後援会が中心となった「大阪市営交通を守る市民連絡会」がバス路線復活を求める署名を展開。9日には共産党のてらど月美、岩崎けんた両市議が紹介議員となり、大阪市議会に署名を提出しました。
淀川区塚本地域
共産党支部と後援会中心に連絡会
4人に1人が署名に応じて
この日、市議会に提出した署名は5056筆。そのうち約3千筆は塚本地域で集まりました。人口1万2千人の4人に1人に上ります。
署名提出には、てらど、岩崎両市議、宮島正府議候補(淀川区)が同席しました。
廃止されたのは、西淀川区から淀川区を通り、東淀川区までの東西を行き来する路線。この路線の廃止で、塚本地域から区役所までバスで行くには十三停留所で降りて、十三駅東口停留所での乗り換えが必要になりました(図)。
以前の3倍の時間がかかる
しかも両停留所が270メートルも離れている上に、交通量の多い国道と阪急電車の線路をくぐる地下道を通らなければならず、足腰の弱い高齢者や体の不自由な人、子ども連れの親などには大変な苦労があります。
また、バスの連絡が考慮されておらず、長い場合は1時間も待たなければなりません。
区内に住む記者も、塚本地域からバスに乗り区役所へ向かってみました。乗り継ぎで十三駅西側から東側へ歩き、30分後に次のバスが来ましたが、区役所まで約50分。それまで15分ほどで行けていましたが、3倍以上の時間がかかりました。
署名運動のきっかけになったのは、同会代表の稲垣泰平さんが昨夏、党活動で訪問した女性(83)の訴えを聞いたことです。女性は「区役所に行こうと思い市バスに乗ると、区役所に行けないことに驚いた。乗り換えにも停留所一つ分歩かなけらばならず、困っている」と話しました。
この訴えを基に同会は、路線復活を求める署名を開始。昨年の9月市議会に2227筆を集め市議会に陳情しました。委員会で審議され、共産党が賛成、自民・公明・みらい(民主)が保留、維新が反対し継続審議となっていました。
地域住民無視した担当課長
委員会の陳情に対する質疑の中で、交通局の担当課長が「淀川区東部地域の利便性は高まった」と答弁。西部地域の声を無視した態度に、同会は絶対に路線復活を実現しようと、再び署名に取り組みました。
稲垣さんに訴えた女性は、「以前は路線も便数もたくさんあり、敬老パスも無料で使えたので、買い物にも病院にも遊びにもバスを利用していました。タクシーなら1千円以上かかります。バスがなければ区役所に行けません」と語ります。
2度目の署名運動は、地域の町会や、住民の中でも話題になり、あるマンションでは、全戸に配布されていた署名とビラを見た管理組合の理事らが、署名を全世帯に依頼しようと議論。ほとんどの世帯から署名が寄せられました。また、1人で西淀川区や東淀川区の住民も含めて、250筆以上の署名を集めている人もいます。
同会では「同じ淀川区の住民なのに、区役所にすら行けないのはおかしい。路線を復活させるまで何度でも署名に取り組んでいく」と訴え、各世帯への訪問や、停留所でバス利用者に署名を訴えています。
まち壊しの地ならし許さず
稲垣さんが停留所にいた2人の女性に署名への協力を呼び掛けると、「いまちょうどバスが不便になった話をしていた。ほんま困ってるねん」と署名。そこへ「それバスの署名?私もやるよ」と声を掛けて来る通行人など、次々と署名が集まりました。
同地域で理容店を営む女性は、「うちに来るお客さんは、バスを利用して仕事に通っていましたが、路線が削減され、不便になったことも原因になり仕事を辞めました。そのお客さんに署名を書いてもらい、近所の友人からも集めています」と言います。
てらど市議は、「このバス路線の廃止が『大阪都』構想でまちを壊す地ならしになっている。署名に協力してくれた人とともに声を上げて、元に戻す取り組みを進めていかなけらばなりません」と語ります。
(大阪民主新報、2015年2月15日付より)