2021年01月10日
「広域一元化条例」
政令市・大阪市の権限・財源を府が奪取
副首都推進本部会議が骨格案
政令指定都市としての大阪市の権限・財源を府が奪う「広域一元化条例」を巡り、府と大阪市などでつくる副首都推進本部会議が2020年12月28日に開かれ、条例案の骨格となる「検討の視点」を決めました。吉村洋文知事(大阪維新の会代表)は、これを基に検討を進め、2月の府・大阪市議会に提案すると表明しました。
2月議会に提案へ
「検討の視点」では、「産業振興」や「都市基盤整備」などの基本方針や計画を府に「一元化」する副首都推進本部会議を条例に明記。本部長は知事、副本部長は大阪市長とし、本部長として議事を決定するとしています。
法令権限については国との調整が必要であり、事務委託や共同機関の設置は別途議決を経て規約を締結する必要があるとし、消防・水道などは今回の条例とは別に「広域化」を検討するとしています。
「広域一元化条例」案は、大阪市を廃止して「特別区」に分割する、いわゆる「大阪都」構想が昨年11月1日の住民投票で反対多数で否決された直後、吉村氏や松井一郎大阪市長が「『都』構想の対案」などとして持ち出していたもの。
吉村氏は会議後の会見で「府市一体で成長戦略を実行できる仕組みをつくる」などと述べましたが、大阪市存続を決めた住民投票の民意に背くもの。コロナ禍の中で制度いじりを続ける維新府市政のあり方が厳しく問われます。
(大阪民主新報、2021年1月10日号より)