2021年03月06日
広域一元化条例案は撤回を
緊急アピールに100人賛同
吉村洋文知事(大阪維新の会代表)と大阪市の松井一郎市長(同前代表)が、2月の府市両議会可決・成立を狙っている「大阪府及び大阪市における一体的な行政運営の推進に関する条例(広域一元化条例)」案を巡り、条例案撤回を求める緊急アピールが1日、発表されました。大阪府庁内で会見した医師の高本英司・大阪府保険医協会理事長は、条例案は昨年の住民投票が示した民意に反すると指摘し、「新型コロナ対応に専念すべきだ」と訴えました。
府保険医協会と府歯科保険医協会が呼び掛けたもの。アピールは、大阪市域の成長戦略に関わる事業を府に事務委託する問題について、大阪市の行政上の方針や意思決定を、府・市でつくる「副首都推進本部会議」で取り決めることになり「事実上の『大阪市解体』」だと指摘。「市の権限を弱める条例案は認められない」としています。
会見で高本氏は、大阪では新型コロナの重症患者が高齢者を中心に高止まりしていると指摘。感染拡大防止や医療体制確保、保健所機能の拡充こそ急ぐべきだと強調しました。
会見に同席した立命館大学の森裕之教授は、新型コロナ危機の下、格差と貧困という大阪の構造的問題が深刻な形で露呈したと指摘。「税収減少の中で夢洲などの大型開発に突き進むのではなく、あるべき都市像をしっかり議論すべきだ」と語りました。
アピール賛同人には、府内の病院の院長、開業医らの他、元大阪市長の平松邦夫さん、大阪城天守閣元館長の渡辺武さんら約100人が、名前を連ねています。
(大阪民主新報、2021年3月7日号より)