緊急要望書
新型コロナ封じ込めのための大規模検査を
吉村洋文大阪府知事 殿
緊急要望書 新型コロナ封じ込めのための大規模検査を
2021年3月26日 日本共産党大阪府委員会新型コロナウイルス関連対策本部
大阪府で緊急事態宣言が解除されて以降、府内新規陽性者は増加に転じ感染再拡大=リバウンドの兆候がはっきり出ています。今こそ自粛と緩和の繰り返しではなく、コロナを封じ込める検査拡大の戦略を持つことを緊急要望します。
1.社会的検査を高齢者施設だけでなく医療機関にも広げ、検査を頻回・定期的に行い、対象者を利用者にも広げること。また4月以降も継続すること。
大阪府の高齢者施設における無症状者を対象にしたPCR検査が3月から始まり、12人が陽性と判明しています。しかし対象を従事者に限定しているため、効果は限定的です。埼玉県では入所系高齢者、障がい者施設に加え、有床診療所などの医療機関も対象にした検査を実施しています。
大阪における重傷者及び死者は、医療機関からの感染が最も多くなっていることからも、高齢者施設に加え医療機関での頻回・定期検査に踏み出し、4月以降も実施すべきです。また従事者だけでなく利用者、通所施設、保育園や幼稚園、小学校など子どもが通う施設にも対象を広げるべきです。
2.モニタリング検査を1日2万件を目標に実施し、感染集積地への面的検査にも踏み出すこと。
3月5日改定の政府の新型コロナ対策基本的対処方針には、「再度の感染拡大の予兆や感染源を早期に探知するため、幅広いPCR検査等(モニタリング検査)やデータ分析を実施する」と、明記されました。ところが、実施件数は全国で1日1万件とされ、大阪ですでに実施されたモニタリング検査の数も3月1日~14日までで2572件にとどまっています。
「感染拡大の予兆や感染源を早期に探知」というのであれば、感染を封じ込めるため、文字通りの大規模検査の実施に舵(かじ)を切ることが必要です。大阪では1日2万件を目標に実施し、感染集積地への面的検査にも踏み出すべきです。1日2500件の検査が可能な全自動PCR検査トレーラーの購入・活用も含め、思い切った検査実施体制の拡充をはかることを求めます。
3.変異株調査を新規感染者の全例を目指して取り組むこと
大阪でも変異株陽性者が発見され死者も出ています。変異株の蔓延を防止するためには、変異株調査を抜本拡大する必要があります。大阪府における変異株調査は、新規陽性者に占める検査の割合は1桁台にとどまっており不十分です。陽性者の全例を目指して取り組むべきです。民間検査会社や医療機関への協力も増やして取り組むことを求めます。大阪健康安全基盤研究所(大安研)の体制強化で、大阪でゲノム解析ができるようにすべきです。
4.濃厚接触者に限らないより広い接触者への検査、トレース体制の強化、保健所の体制の抜本的強化をすすめること
今後は感染の中心が感染力のより高い変異株が中心となるとみられます。感染を抑え込むためにも、濃厚接触者とされる人だけでなく、一定の過去にさかのぼって積極的に検査を実施していく「深堀り積極的疫学調査」に踏み出すべきです。
そのためにも接触者の追跡を専門に行うトレーサーの大幅増員、保健所の人員・体制の抜本的な強化を求めます。