2021年03月22日
大門実紀史の国会レポート
10年前の補助金誕生秘話
10年前の春は連日、東日本大震災の被災地を回り、津波で何もかも流された町をどう復興するかについて、現地の方々と話し合いました。とにかく工場や設備などの復旧なしに生業の再建は進みません。国会でも支援を訴えましたが、財務省は個別財産への支援はできないの一点ばりでした。
しかし質問のあと、当時の中小企業庁長官Tさんが私の部屋に来られ、個別財産は支援しないなどと言っている場合ではない、力を貸してほしいと言われました。当時の民主党政権は右往左往するだけ。野党の自民党も政権の足を引っ張ることばかり考えていましたから、わが党を信頼し相談してくれたのだと思います。
Tさんは私の意見も取り入れ、被災事業者がグループを作り復興計画を立てれば、それぞれの工場、設備などの復旧を支援する「グループ補助金」を策定してくれました。事実上、個別財産への支援です。また水産加工だけでなく対象業種を広げるべきだと伝えると、当時、気仙沼民商の建設業グループが申請していた計画をすぐ採択してくれました。その後、対象業種も予算もどんどん拡大。今では全国の災害でも「グループ補助金」が活用されるようになっています。
Tさんはその後、退官され、現在は大手商社の副社長をされています。久しぶりにお会いした時、当時のことをふりかえり、「共産党の先生と一緒に仕事をすることになるとは思ってもいませんでした」と言われたので、「私もです」と答えました。(だいもん・みきし 参院議員 第3週掲載)
(大阪民主新報、2021年3月21日号より)