時代をつないで 大阪の日本共産党物語

第36話 府学連の再建、学園暴力一掃のたたかい

7大学10自治会 

 学生運動の分野では、60年代初めに分裂、崩壊させられた府学連(大阪府学生自治会連合)を再建しようと1965年2月7日、7大学10自治会(府大工学部・農学部・経済学部、外大、女子大、学芸大=現大阪教育大学=平野・池田、市大Ⅱ部、工大Ⅱ部。経大Ⅱ部)の参加と、4自治会(近大理工学部、社会事業短大、学芸大Ⅱ部、外語短大)の正式傍聴参加のもと、再組織されました。

学生の要求で団結する        

再組織10周年に発行された『団結と躍進 大阪府学連大会決定集』

 府学連再建後1年で関大法学部、近大法学部の自治会民主化をはじめ、自治会選挙の前進、近大理工学部、関大法学部、外大Ⅱの加盟をかちとり、府学連の組織人員数は2倍に増えます。全学連の機関紙「祖国と学問のために」(「祖学」)が広がり、府学連機関紙「団結と躍進」も定期発行されるようになります。
 当時の府学連委員長は、学生運動を前進させた力は「学生要求で団結するという正しい方向を打ち出したことだった」と語ります。全学連がかかげた「学生運動の2つの任務」(①学園のなかでの学生生活にかかわる要求、政治的社会的要求を追求する、②学び成長する要求、日本の将来をになう民主的知識人、勤労者として、教養、専門知識、技術を身につけていく成長の要求に応えた活動を展開する)をつらぬいて府内各大学で多彩な活動が展開されます。
 再組織10周年に発行された『団結と躍進 大阪府学連大会決定集』には、当時のたたかいがリアルに刻まれます。「カリキュラム改善」と「米原潜入港抗議」「日韓会談反対」などのスローガンをかかげた全学ストライキ(外大)、国立大学授業料値上げにともなって9千円から1万2千円に学費を値上げすることに反対(府立系3大学――府大、女子大、社事短)、授業料値上げ反対、「マスプロ授業反対」の要求をとりあげての活動(関大)、学生寮の石油ストーブと石油代の公費負担を要求(外大、女子大)――。府的な「新入生歓迎祭典」「関西学生サマーキャンプ」「大阪学生文化会議」などのとりくみも展開されました。

トロツキストを孤立させる      

 この時期、「大学解体」を叫ぶ「革マル」「中核」などトロツキスト暴力集団による「大学封鎖」「占拠」など、暴力と挑発が吹き荒れました。民主的な自治会活動家や党員、民青同盟員に「ゲバ棒」を手に襲い掛かり、頭蓋骨陥没などの重傷者もでました。
 政府は「『民青対策』から見て、むしろ三派(※トロツキストのこと)を泳がせた方がいいんだ」(自民党幹部の発言)などと言い放ち、その妄動を最大限利用しました。
 府学連は、彼らの行動が学生運動とは無縁のものであり、全大学人の団結をよびかけ、暴力にひるむことなくたたかいました。阪大では2千人の学生、教職員が結集して「“三派”は出ていけ」と集会を成功させました。学内への警察隊の導入も許さず、自らの手で「バリケード封鎖」を解く活動も展開しました。このなかで阪大医学部・薬学部・法学部、外大、府大を中心に、カリキュラム改善、管理運営の民主化の前進など要求実現でも貴重な成果をおさめました。
 日本共産党大阪府委員会は、「トロツキストを孤立させる」と毅然と臨み、民主的な学生運動を励まし、みずからも大学問題の解決の先頭にたちました。(次回は「政策活動の本格化」です)

(大阪民主新報、2021年3月28日号より)

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