国が「赤木ファイル」開示
森友問題 改竄経緯を詳細に記録
学校法人森友学園への国有地売却を巡る公文書改ざんに関与させられて自殺した近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)が、改ざんの経過を記録した文書「赤木ファイル」を国が遺族側に開示。遺族側弁護団が22日、文書を公開しました。
ファイルは、赤木さんの妻雅子さんが昨年3月に国と佐川宣寿・元財務相理財局長に損害賠償を求めて大阪地裁に起こした裁判の中で、開示を求めていたもの。500ページを超え、改ざんに至る経緯が詳細に記録されており、理財局・近畿財務省間で送受信されたメールも含まれています。
「本省の対応(調書等修正指示)」とされた文書では、「本省において、議員説明(提出)用に、決裁文書をチェックし、調書の内容について修正するとの連絡受。本省の問題意識は、調書から相手方(森友)に厚遇したと受け取られるおそれのある部分は削除するとの考え」「現調書のままで説明するのが適切と繰り返し意見(相当程度の医師表紙し修正に抵抗)した」などと書かれています。
2017年3月20日付で、「佐川局長から国会答弁を踏まえた修正を行うよう指示(調書の開示により新しい情報を与えることがないよう)があった」との記述もあります。2月には、安倍晋三首相(当時)が、「私や妻が関係したら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁していました。
22日、大阪市内で会見を開いた弁護団は、ファイルには、財務省と近畿財務局との間のメールのやり取りが頻繁になされる中で、赤木さんが苦悩しながら改ざんに関与していった経過が明らかになる資料が添付され、赤木さんがどんな思いでファイルを残した経過も具体的に書かれていることを紹介。「この裁判は、赤木ファイルが提出されたこの時点から第一歩が進むと考えている」と述べました。
赤木さん自身は、佐川局長の名前を出していますが、開示されたファイルでは、指示した人物の名前は黒く塗りつぶされています。弁護団は、「どういうルートを通じてこの指示が出されたのか、事実解明が今後の一番の課題」とするとともに、「国会の中ではそれは明らかになっていない。第三者を入れた形での再調査を、裁判とはまた別にちゃんとやってほしい」と述べました。
「国会で全容解明を」宮本氏
国会で森友学園問題を追及し続けてきた日本共産党の宮本たけし前衆院議員は、「赤木ファイルでは、佐川氏が私に文書廃棄を答弁した2017年2月24日の2日後から、10回にわたり改ざん等を指示したことが明らかになりました。再調査は当然だし、国会は引き続き全容を解明しなければなりません。必ず私も国会に戻って、この問題を追及したい」と話しています。
(大阪民主新報、2021年6月27日号より)