世界は核兵器廃絶へ大きな一歩
日本の政府を代えて核兵器禁止条約に参加を
日本共産党大阪府委員会平和連帯部部長 福井満知子
日本共産党大阪府委員会平和連帯部の福井満知子部長からの寄稿文を紹介します。
大阪原水協の構成団体として「平和行進」「世界大会」の成功を
2021年の「平和行進」と「世界大会」が近づいてきました(いずれも詳細別項)。人類史上初めて「核兵器は違法」とする核兵器禁止条約が発効したもとでの開催です。日本共産党大阪府委員会は大阪原水協の構成団体として、その成功をめざします。
具体化として次の3点にとりくみます。
①「唯一の戦争被爆国日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める」署名運動の飛躍的前進をめざします。総選挙にむけた「100万対話」のなかで条約の発効を知らせ、広く署名を呼びかけて成功させたいと思います。
②政府に条約への参加を求める地方議会での「意見書」採択にとりくみます。地方議会での「意見書」可決は6月22日現在、大阪では7自治体(和泉、泉佐野、摂津、高石、富田林の5市、河南、忠岡の2町)、全国では571自治体です。署名でつながった人と一緒に、各議会の政党・会派の訪問・懇談、自治体首長および議員への署名よびかけ、意見書採択を要請します。
③「署名呼びかけポスター」「署名用紙」「世界大会リーフ」とともに、ペナント、バッヂ、ボールペンなどの普及を呼びかけます。これらは学習教材や宣伝資材であると同時に、大阪原水協を財政で支えます。これら一つ一つを成功させることが、日本政府に条約の批准を求める運動となります。
焦点は核固執国での政治変革。「市民と野党の共闘」で条約に参加する政府を
日本共産党は総選挙にむけた「新しい日本をつくる五つの提案」で核兵器禁止条約に署名・批准することをかかげています。
日本が条約に参加する一番の近道は、総選挙で野党連合政権を実現することです。
菅首相は条約への参加拒否の態度を変えず、4月16日の日米首脳会談では、「日米同盟を一層強化する」とし、「核の傘」の強化、「サイバー及び宇宙を含む全ての領域を横断する防衛協力」の深化を誓いました。
大阪では、「大阪維新の会」松井一郎代表が大阪府知事時代に、「『完璧な集団的自衛権の方向にいくか、自国で全て賄える軍隊を備えるのか、今こそ政治家が議論しなければならない』『自国で武力を持つなら最終兵器が必要になる』とし、安全保障環境次第では日本の核武装も議論の対象にすべきだとの考えを示し」(2016年3月30「毎日新聞」)ています。
大阪で、菅自公政権と維新政治による「二重の逆流」に厳しい審判を下すため、草の根から『コロナ封じ込め』はじめさまざまな課題を国民的府民的運動へと前進させ、「市民と野党の共闘」で政権交代を勝ちとる決意です。
崇高な被爆者の誓いと日本共産党綱領
「あの瞬間に死ななかった私たちがやっと集まって、今日まで黙って、うつむいて別れ別れに生き残ってきた私たちが、もう黙っておれないと手を繋いで立ち上がり、世界に訴えるべきは訴え、国家に求むべきは求め、自らを救うとともに私たちの体験を通して人類の危機を救おう」―1965年、日本被団協結成大会での誓いです。
広島と長崎の被爆者が求めたのは、原爆投下に対する報復ではなく、核兵器廃絶「ノーモアヒロシマ・ノーモアナガサキ」でした。その崇高な思いを受け止めた国民とともに共同を広げ、世界の市民と政府を動かし、今年1月22日、核兵器禁止条約は発効しました。世界の大国が「核抑止力」を軍事戦略の柱にすえ、国連憲章に代表される平和への役割を放棄し逆行するなか、被爆者の行動は、国際政治が歩むべき方向を牽引し、核兵器固執勢力による核兵器使用を阻み、核兵器廃絶という人類の悲願達成へ大きな展望をひらいたのです。
日本共産党は核兵器廃絶を綱領にもつ政党です。2010年の第8回NPT再検討会議には志位和夫委員長を団長とする代表団が参加。2017年の核兵器禁止条約の国連会議では、志位委員長が党史上初めて党首として国連会議で演説をおこない、議長や各国の政府代表とも協議する機会をもちました。
世界は、唯一の被爆国・日本政府の条約参加に大きな期待を寄せ注視しています。
政府に条約参加をもとめる運動と固く連帯するとともに、総選挙勝利で野党連合政権を実現するために全力を尽くす決意を重ねて表明するものです。
(大阪民主新報、2021年6月27日号より)