新型コロナ
全件スクリーニング
でデルタ株対策急げ
府議会健康福祉常任委 石川府議が要求
日本共産党の石川たえ府議は6月24日の府議会健康福祉常任委員会で、「デルタ株」(インド株)により夏にも再拡大するといわれる新型コロナウイルス感染症について、検査の拡大と医療体制の立て直しを要求しました。
石川府議は、デルタ株を見つけ出すスクリーニング検査を、全ての陽性者に対し行うよう求めました。府はスクリーニング検査を国の基本対処方針にある約40%と目標設定しています。
デルタ株が大幅に急増
府は「アルファ株(イギリス株)の検査では4月下旬に概ね40%の実施率に達し、府内での置き換わり状況を把握できた」と、目標の根拠を示しました。これに対し石川府議は「4月下旬はすでに第4波のピークではないか。ピークの前に兆候をつかむことが必要だ」と批判しました。
6月中のデルタ株の発見は5月の約2倍に達しています。石川府議は「兆候が現れ始めている」と指摘しました。
無症状者の発見のため
ワクチンによる集団免疫獲得までには時間がかかり、市中感染を防ぐには大規模検査が欠かせません。石川府議は「積極的なモニタリング検査(街頭などで不特定の人に行う検査)も大規模検査もせず、どうやって約4割いるとされる無症状感染者を発見するのか」と質しました。
府は「偽陽性や検査負荷増大のデメリットがある上に、感染拡大防止に対する効果も低い」と、検査拡大に背を向ける従来の答弁を繰り返しました。
第5波起こさないため
石川府議は「政府の会議でPCR検査の精度は96%以上と報告されている。機器も多く開発され、検査拡大できる土台はある」と指摘し、医療現場からの「第5波に備えることは大切だが、第5波を起こさない、第5波の高さを低くするために力を注いでほしいというのが医療現場の声だ。最低でも1日2万件のモニタリング検査を直ちに」と要求しました。
石川府議は高齢者施設で集団定期検査の受検率向上が必要と指摘しました。受検率は半数にとどまっており、その間も6月上旬の2週間の間に、5施設でクラスターが発生し91人の感染が確認されています。
石川府議は、検体回収を府が責任を持って行うことや、陽性者が発見されても施設が経営困難に陥らないような支援を求めました。
重症病床をすでに削減
府はコロナ対応の運用重症病床を6月14日から減らしています。石川府議は「これでデルタ株に対応できるのか」と批判し、「運用病床は減らすべきではない。府として病床確保のための補助制度の拡充や、医療機関の減収補填を行い、病床確保に努めるべきだ」と主張しました。
医療従事者の確保について府は「各医療機関での確保が前提」と答弁。石川府議は「どうやって医療スタッフを確保し医療機関を支援するのか、国に支援を求めることも想定に入れて検討するのが府の役割だ」と厳しく指摘しました。
知事質問を封じた維新
委員会は日本共産党などの求めで開かれました。この日、質問を行った共産、自民、民主の3会派が吉村洋文知事への質問を通告しましたが、維新が委員会終結の動議を提出し、単独で可決させたため、知事への質問機会はなくなりました。
(大阪民主新報、2021年7月4日号より)