おおさかナウ

2021年07月17日

安全・迅速なワクチン接種、検査の抜本拡充、
医療機関への減収補填、十分な補償、東京五輪中止
コロナ封じ込めに全力を
辰巳孝太郎日本共産党府新型コロナ関連対策本部長の談話

 大阪の感染者は7月10日に6月3日以来の200人を超え、感染拡大が顕著です。大阪府は7月8日、7月11日までとしていた蔓延防止重点措置の期限を、8月22日まで延長することを決め、飲食店の時短営業等が継続することになりました。
 7月1日から7月7日までの1週間の大阪府の検査数は約1万件で、ピーク時の半分に過ぎません。政府および大阪府は日本共産党が繰り返し求めてきた「封じ込め」施策をとらずに、またも感染拡大を許した政府と大阪府の責任は重大です。
 石川府議が6月24日、府議会で「府はモニタリング検査は兆候がつかめないと積極的に実施をしていない。ではどうやって大阪府は無症状感染者を発見するつもりか」と問うと、「無症状者への検査は、偽陽性や検査負荷増大のデメリットがあるうえに、感染拡大防止に対する効果も低いとされている」などと言い放ちました。府の検査抑制論にしがみつく姿勢が、感染拡大の繰り返しを許しています。
 菅政権にモノを言わない姿勢も一貫しています。東京五輪開催をめぐって、「命より大事なものはない」と中止や延期を求めて都議選をたたかった日本共産党や立憲民主党が議席を増やしました。東京都の感染拡大が顕著となり、4度目の緊急事態宣言が発令され、大阪から五輪中止の声を求めるのは当然です。ところが吉村知事は、「リスクを下げる議論をすべき」というだけで、五輪開催を容認しています。

 十分な補償は感染抑制には不可欠です。ところが飲食店などへの時短要請協力金は遅れに遅れ、業者からの怒りが増幅しています。遅れの要因には、審査業務をパソナに丸投げしていることにあります。元々ノウハウを持たないパソナは、マネージャーもリーダーも審査業務の経験がなく、マニュアルすら作られていなかった事が、元社員の告発で明らかになっています。なぜ経験のない会社に随意契約で外注したのか、府の責任が大きく問われる事態です。
 また感染対策を取っている店舗を認証するゴールドステッカーは、7月9日時点で申請数が3万2416件、うち認証されたのが305件(0・94%)に過ぎず、審査がいつ終わるのか、まったく見通せていない状況です。
 大阪府は6月末、ワクチンの接種の進み具合などに応じて、事業者に求める措置を段階的に緩和する「ロードマップ」の素案を公表しました。ところが、重症病床使用数を基準にした緩和案は、高齢者接種が完了しても第4波を上回る1日最大約1400人の感染者が生じる可能性があり、その場合中等症病床の使用が増えるとして、幹部からも異論が出しました。
 ワクチン接種が進んだ国でも、変異株などによって感染が再拡大しています。府が「経済を動かすため」として、医療体制の実態や科学的知見が無視されれば、重大な過ちを繰り返すことになりかねません。

たつみコータロー参院議員

 そもそもワクチン接種自体に暗雲が立ち込めています。大阪市内のある医療機関は、7月に入りワクチン分配量が、希望量の10分の1しか供給されないことが分かり衝撃が走りました。700人を超える利用者に連絡し、2回目接種の延期と、1回目接種のキャンセルを行いました。「なぜ受けられないのか」などの不安の声に、医療機関が対応している状況です。
 混乱の大本には、国が7月に入り供給量が減少すると分かっていながら、高齢者に加えて若年層や職域接種など、全体の調整をせずにワクチン接種を進めたことにあります。
 党大阪府委員会は7日、コロナ封じ込めのための要望署名5156筆を新たに届けました。これで昨年からのコロナ関連署名は4万5000筆にのぼります。引き続き、ワクチンの安全・迅速な接種、検査の抜本拡充、医療機関への減収補填、十分な補償、東京五輪の中止など、掲げた要望項目の実現で、「コロナ封じ込め」に全力を尽くす決意です。

(大阪民主新報、2021年7月18日号より)

月別アーカイブ