「大阪都」構想 住民投票で反対しよう
革新懇が宣伝
大阪市廃止・特別区設置の是非を問う住民投票に向け、進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)と平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(全国革新懇)が18日、大阪市内3カ所で行った街頭演説・宣伝行動では、全国革新懇の代表世話人、大阪革新懇の代表世話人、大阪の各界の人々12氏が、それぞれの立場から「大阪市廃止ノー」「住民投票では『反対』の意思表示を」と訴えました。各弁士の訴えの一部を紹介します(日本共産党の山下芳生書記局長の訴えは別記事)。
「平和願う1票」を新日本婦人の会会長 笠井貴美代さん
今回の住民投票を、憲法改定国民投票の「予行練習」と語る橋下氏。安倍首相との連携で日本を戦争へ引きずり込む黒いたくらみが見えてきます。平和を願う市民の一票には「反対」と書いてください。
大阪の未来語ろう
全日本民主医療機関連合会会長 藤末衛さん
「都」構想の「成長戦略」でやるのは大型開発や、1千万円もかかる生体肝移植など保険のきかない医療。保険のきく医療はほどほど。これでいいのでしょうか。自治会、商店街で、大阪の未来を話しましょう。
期待には応えない
全国労働組合総連合議長 小田川義和さん
安倍政権の下で労働者の暮らしは悪化の一途。自治体は「住民福祉のとりで」となることが期待されています。大阪市を廃止し府に財源・権限を集中させることは、その期待に応えるものでは決してありません。
中小業者を元気に
全国商工団体連合会事務局長 岡崎民人さん
橋下・松井府政の6年間でものづくり・中小企業予算は3分の1に削減され、府市の信用保証協会も統合。いま求められているのは「二重行政解消」などではなく、中小業者を元気にして景気を回復することです。
よう分からんから
落語家 笑福亭竹林さん
世論調査では賛否が拮抗(きっこう)し、「よう分からん」が7割。はっきりしているのは、賛成が1票でも上回ると大阪市がなくなること。分からんままで大事な歴史ある大阪市がなくなっていいのでしょうか。
大学の統合やめて
大阪府立大学問題を考える会代表 野崎清さん
府立大学と大阪市立大学の2016年統合は延期されましたが、大阪市がなくなると市立大学がなくなり、統合されてしまう。生粋の大阪市民として、大阪市廃止・分割に反対です。大学統合案は白紙にすべきです。
大阪城没収される
元大阪城天守閣館長 渡辺武さん
現在の大阪城天守閣は大阪市民の寄付で復興されたもの。豊臣・徳川時代のような「権力のシンボル」ではく、「市民の城」であり、歴史博物館施設です。これを府に没収する「都」構想は断じて許せません。
「都で繁栄」は幻想
関西大学名誉教授 鰺坂真さん
「大阪都」になれば大阪は栄えるというのは、幻想。東京が栄えているのは大企業本社が集中し、財源が豊かだから。大阪市の権限・財源を維持しながら、市民生活を豊かにしてこそ、大阪の発展が保障されます。
世界的にありえぬ
弁護士 伊賀興一さん
巨大地震などの災害で被災者を救助し、生活再建を支えるのが基礎自治体の役割です。府と並ぶ権限を持つ基礎自治体である大阪市の権限をなくし、壊すなどということは、世界的にはありえない話です。
取り返しつかない
弁護士 西晃さん
住民投票は法的拘束力があります。最低投票率の定めがなく、「賛成」が1票でも多ければ大阪市は廃止されてしまいます。後で「都」構想がとんでもない代物だったと分かっても、取り返しがつきません。
住民のため協力を
大阪民主医療機関連合会副会長 長瀬文雄さん
橋下氏はWTCビル(大阪市)とゲートタワービル(府)が「二重行政の象徴」と言いますが、大型開発に走ってきたこれまでの弊害。住民の暮らしを守るには、府と市が二重三重に協力することが必要です。
(大阪民主新報、2015年4月26日付より)