万博・カジノ建設より
命と暮らし守る府政を
共産党府議団 市町村議員団と懇談会
9月府議会開会を前に日本共産党大阪府議団は10日、市町村議員団との懇談会をオンラインで開きました。府政報告した石川たえ団長は、府の新型コロナ対策について「府民を守ることより万博・カジノ建設に力点を置いている。9月議会でも新たなコロナ対策や暮らし支援はほとんどない」と批判しました。
感染の拡大で府民から悲鳴
石川議員は「家族全員が感染。感染しながら家族の世話はしんどい」「子どもが感染したが、濃厚接触の家族の検査は3日後」など府民の声を紹介しました。
医療従事者は「もう辞めたい」など4人に1人が燃え尽き症候群だといい、保健師からは「不安な中、自宅で過ごしている方を思うと胸が締め付けられる」などの訴えが届いています。
府の財政支出は22億円のみ
府は「野戦病院」の設置を決め、また、いったん決めた宿泊療養を原則40歳以上に限る方針を撤回しました。共産党府議団が求めていたものです。
しかし吉村洋文知事が「総額1・6兆円以上」と自慢する府のコロナ対策費は、実際に使ったのは約1兆1750億円。そのほとんどが交付金など国の支出と預託金などで賄われ、府の財政支出は、そのわずか0・2%の約22億円でしかありません。2020年度決算はコロナ禍でありながら前年を大幅に上回る約331億円の黒字。「13年連続」と黒字を誇っています。
検査拡大には今も後ろ向き
感染力のある無症状者の発見・保護に、府はいまも後ろ向きです。行政検査の対象は「症状のある人」に限定し、モニタリング検査は週2千件程度にとどまります。府対策会議での専門家のさまざまな意見も、「最後は政治判断」と言って無視し続け、大規模検査は「効果なし」「偽陽性の懸念がある」などと拒否しています。
コロナ禍で苦しむ府民の姿
「第5波」では子どもたちにも感染が広がっています。府立高校・支援学校の休校は延べ710校に上ります。教室での「密」対策はなされず、「1人1台」の学習用端末も活用できていません。
一方で、府独自テスト「中学生チャレンジテスト」や「小学生すくすくウォッチ」、府立高校の統廃合を進めています。
石川府議は「児童虐待は全国で昨年度20万人越え。コロナ禍で出産した母親はママ友をつくる機会もなく、親族からの支援も受けられず、『たった1人で子育てしている』。『食べ物が欲しい』というシングルマザーからの叫びにも、独自対策はない」と厳しく批判しました。
府の時短要請に応えた飲食店への協力金は、第1期(1月14日~2月7日)分でも、約1100件が未支給で残されています。
大阪の完全失業者数は約17万3千人(4~6月期)で、前年同期比1万5千人増です。
それでもカジノ・開発優先
府民を置き去りにして府が力を入れるのが、カジノや万博に向けた開発です。
地下鉄中央線延伸・新駅設置(約540億円)、淀川左岸線2期整備(約2013億円)、モノレール延伸(約1050億円)、万博に出展する大阪パビリオン(160億円)など巨額投資が目白押しです。
石川府議は、「少子化でインフラ整備に巨額を投じても利用は頭打ち。維持費がかさみ、結局税金投入に」などの意見が専門家からも出ていると指摘。コロナ大規模検査による無症状者の発見・保護や少人数学級の拡大、事業者支援など府議団の予算要望を紹介し、「困っている人はほっておけない。市町村議員団と力を合わせて頑張りたい」と決意を述べました。
遅れている河川改修を早く
市町村議員団から報告や府への要望が多くありました。台風や集中豪雨で氾濫の危険が指摘される河川の改修遅れを指摘する声もありました。
コロナ対策では、「ワンコイン検査」や出張検査(四條畷市)、検査費用補助や買い物支援(寝屋川市)など独自のコロナ対策を進める自治体もあります。「維新が首長の自治体でコロナ対策が遅れている」との指摘もありました。
(大阪民主新報、2021年9月19日号より)