コロナ対策 即座に充実を
少人数学級直ちに実施を
日本共産党府議団が府民団体と懇談
カジノなど開発やめて府民のために
9月府議会開会を前に日本共産党府議団(石川たえ団長)は15日、府民団体との懇談をオンラインで開きました。
大教組はコロナ禍で子どもたちの登校控えが約4%に達しているとの報道を紹介。「校内感染が危惧される小・中学校全学年で、直ちに少人数学級を府独自で実施するよう議会に請願したい」と述べました。
府が長年、教員定数を満たさず講師で穴埋めをしている問題も告発。その講師も集まらず、授業を担当する教員がいないまま学期が始まる事態が続いています。
学力テストの廃止・撤回を
府独自の小学校5・6年生向けのテスト(すくすくウォッチ)や中学校でのチャレンジテストがコロナ禍で強行されたことを批判。すくすくウォッチでは通常の1限を超えるテスト時間で子どもたちは休憩もままならず、丸一日テストに向かい、その中のアンケートは1問に平均15秒で答える過密さで「子どもたちに非常に負担になってい」ます。内容も子どもの心を点数化するもので、「心まで強制するようなテストに年3億円かけている」と強く批判しました。
中学ではコロナ感染による臨時休校が増える中でチャレンジテストが行われ、濃厚接触者も登校させて別室で受けさせた自治体もあるといいます。大教組は「引き続き廃止・撤回を求めていく」と表明しました。
学ぶ権利奪う府立高統廃合
府高教は府教委による府立高校統廃合強行を、「学び直しを必要とする子どもたちが行く学校がつぶされている」と指摘。廃校となった咲洲高校の卒業生が、高校進学の候補に挙げたのが咲洲高校の他、後に廃校となった西淀川と大正、今回、名前の上っている茨田高校だったといいます。
府は維新主導で制定した条例で、「3年連続定員割れ」の高校を統廃合の対象としています。今年、名前が上がった高校は「1校は2年前の定数割れが1人で6クラス分の生徒は来ている。1校は阪南市唯一の府立高校。1校は近くに駅がなく、近辺の子どもたちが自転車で通える学校だ」といいます。
府教委は府立高校を6クラス以上で募集していますが、「全国では過半数が6クラス未満。学校教育審議会でも何人もの委員から、『学級数にこだわるあまり学校がなくなるのは本末転倒』と意見があった」と府高教は報告しました。
また府立高校では生徒1人に1台の端末が配られていますが、教師は1人1台の端末がないのに、オンライン学習が求められています。府高教は「条件整備を緊急に要請したい」と述べました。
大幅増設が必要な支援学校
大障教は支援学校が不足し、過大・過密な状態になっている問題を指摘しました。府学校教育審議会の答申に照らせば、過大・過密を解消するには最低14校の増設が必要ですが、現在の新設計画は1校のみ。大障教は「数が全く足りない」と訴えました。
生活圏や福祉圏域を無視した数合わせの通学区域割の変更がなされてきたとし、「適正規模の学校と過大校では、教育活動でもできることの差がある。支援学校増設を求める声は一層強い。当たり前の教育条件整備を求めて署名を積み上げたい」と報告しました。
協力金の支給は全国一遅い
大商連は、コロナ禍で府の時短要請に応じた飲食店への協力金支給が全国一遅れていると報告。「1月の要請への協力金がいまだに支給されないとの訴えが多い。第1期から順番に実行するので、1月分が未支給の飲食店は第7期までの全て未支給。こんなことが許されていいのか」と訴えました。
大商連は「遅れの原因は書類不備ではなく、審査が遅いからではないか。内閣府の6月の事務連絡では、まず迅速に支給し、(問題があれば)後で返還請求できると都道府県に通知している。飲食店を救うために迅速な支給を求めたい」と述べました。
保健所など職員体制充実を
府職労は「保健所の応援を4月から6回申し入れ、ようやく9月から各保健所に3~5人の応援が入った」と報告。府が大量の派遣労働者を入れているとし、「それだけのお金を使うなら職員を増やせるのでは。感染症に即座に対応できる職員体制が必要」と述べました。
府庁全体で残業100時間超えの職員が4~6月で300人に上ったと報告。「コロナ禍で増える自殺や虐待、DVなどの対応は保健所。充実へ運動したい」と話しました。
コロナ禍で保健所は、自宅療養者の健康観察や疫学調査、入院調整など多くの業務を担います。中でも不安の声が多いホテル療養について、「体制が脆弱、医師がおらず看護師も少ない。運営も委託でどうなっているか分からない」と述べました。
「野戦病院」の実態は避難所
府保険医協会はインテックス大阪に設置予定の「野戦病院」は、「実際は医療施設でなく避難場所だ」と指摘。老人医療費助成制度を維新府政が廃止した影響を、「自己負担が元々3千円程度で収まっていた人が数万円単位の負担に。受診回数や検査を減らすなど影響が大きく、対応が必要」と訴えました。
石川団長が議会報告。9月議会でも府独自のコロナ対策や暮らし支援策はほとんどなく、2025年大阪万博に向けてカジノ建設や大型開発を進めているとし、「巨額投資はカジノ鉄道・カジノ道路へではなくコロナで苦しむ府民にすべきだ」と述べました。
内海公仁府議はすくすくウォッチについて、「大人でも回答しきれないようなテストを子どもに課す深刻な事態。議会で追及していきたい」と述べました。
(大阪民主新報、2021年9月26日号より)