おおさかナウ

2021年09月25日

維新政治の異常な姿がコロナ禍で浮き彫りに
日本共産党大阪市議団 オンライン懇談会開く

 大阪市議会が15日、開会しました。2020年度決算などを審議するもので、会期は12月7日まで。開会に先立つ14日、日本共産党大阪市議団が市民団体などとの懇談会をオンラインで開き、山中智子団長が市政を巡る情勢などについて詳しく報告しました。

山中智子団長が報告

住民投票の結果無視して暴挙が

 山中氏は、住民投票で2度にわたり大阪市存続の結果が出たことを受け止め、市民に向き合い、コロナ禍の下で市民の命と暮らし、営業を守るために政令市・大阪市の力を発揮すべき時だと強調。しかし維新政治の下で今、異常なまでに命を無視し、大阪市を弱体化して府の下部組織にすることが狙われていると述べ、問題点を具体的に示しました。
 第1に、住民投票の結果を無視し、大阪市を否定する暴挙の数々です。住民投票直後に「総合区」と共に「府市一体化条例」を持ち出すなど、大阪市の権限・財産を取り上げる路線をひた走り、今年度から財政局長など重要な役職に府職員を配置。11月からは大阪市都市計画局がなくなり、府市共同設置の「大阪都市計画局」が発足します。

科学も心もない市のコロナ対策

 第2に、全国最悪のコロナ対策です。山中氏は維新政治のコロナ対策には「科学も心も、気概や自主性、合意、検証も反省もない。あるのは思い付きと人気取り、一部企業の儲けだけだ」と批判。1千億を超える財政調整基金をコロナ対策に使わず、20年度は積み増ししていると報告しました。
 山中氏は、「雨がっぱ」「イソジン」「大阪ワクチン」、日本一遅い給付金、住民投票の強行などで現場や市民が振り回され、感染が拡大したとし、「大阪の惨状の原因は明らかだ」と指摘。ところがコロナ対策は府任せで、松井一郎市長は市の対策本部会議を4月23日以来開いておらず、生活や営業への真面目な対策を取ろうとしていないと告発しました。

コロナ禍以前の「成長戦略」推進

 さらにコロナ危機以前の「成長戦略」をまったく見直さず、万博開催を利用した夢洲開発やカジノ誘致などに府市一体でのめりこんでいると批判。万博の会場建設費は当初の1・5倍に上振れして1850億円に上り、万博関連のインフラ整備での市関連は4500億円だが、それで済まなくなると警告しました。
 さらに淀川左岸線2期、なにわ筋線、うめきた2期などの巨大開発は見直さず、府立大学と大阪市立大学を統合した大阪公立大学(来年4月開学)の森之宮新キャンパス建設(1千億円)、市立高校の府への無償移管などを進めようとしていると指摘。市営地下鉄を民営化した大阪メトロはコロナ禍による経営悪化の中、5年間で約500人の職員を減らす計画を出すなど乗客の安全が守られないような合理化が行われようとしていると述べました。

新しい市政に転換してこそ

オンライン懇談会に臨む(左から)長岡、報告する山中、井上、寺戸の各議員=14日、大阪市役所内

 最後に山中氏は、「こんなことでは駄目」とコロナ対策を最優先する市政と、コロナ後の新しい政治を求める声は市民の中では多数派だと力説。市の保健師が勇気を出してテレビで実情を訴えるなど、現場からも声が上がる中、市も不十分ながら保健所の体制強化に動いていることも紹介し、「巨大開発優先の『成長戦略』をストップし、保健・医療・介護・福祉・教育に手厚い市政へ転換することが今こそ求められている。総選挙での日本共産党の躍進が、大阪を良くする確かな道。議会活動と共に全力を挙げたい」と語りました。
 参加者からは「コロナ対策で大阪市も独自に事業者への支援を。時短協力金の1期分(ことし1月14日~2月7日)が出ていないという業者が、まだいる。早く出るようにしてほしい」(大商連)などの意見がありました。

(大阪民主新報、2021年9月26日号より)

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