おおさかナウ

2021年12月04日

養護教諭を増やせ
高校つぶしやめよ
府議会教育常任委 内海府議が要求

内海公仁府議

 日本共産党の内海公仁府議は11月25日の府議会教育常任委員会で、コロナ禍による負担が激増している養護教諭が府立学校19校で今年度から減らされたことを示し、府独自の増員を吉村洋文知事に求めました。
 府立学校では生徒数の減少などで、教員定数も年々減少しています。とりわけ深刻なのがコロナ禍で激務が続く養護教諭の減少です。
 養護教諭が複数いる府立学校は、昨年度の72校から今年度は53校へ減りました。
 内海氏は「現場では養護教諭が対応できない部分を他の教職員が業務フォローに当たるなど、影響は学校全体に広がっている」と指摘。「保健室が閉まってしまう瞬間もある。生徒の安全や健康、命に直結する問題だ」として配置増を求めました。
 吉村知事は「府単独での配置は考えていない」と拒否しました。

 国は生徒数800人を超える学校に養護教諭を複数配置するという基準を示していますが、府は各校の実情に応じ800人以下でも複数配置としている学校がある一方、800人を超える学校でも31校で単独配置としています。
 内海氏は「800人を超えても複数配置できていない学校は、府が責任を負うべきだ」と、知事の姿勢を批判しました。
 内海氏は「学校現場では昨年度の突然の一斉休校と再開後の行事日程変更、長期休暇の短縮、土曜授業、マスク着用で会話や触れ合いを制限される学校生活で、子どもたちのストレスが高まっている」と指摘しました。
 昨年、児童・生徒の自殺が前年を100人上回り、過去最高の499人となっています。とりわけ高校生女子で前年の80人から140人へ、75%増加する深刻な事態です。

地域の高校は最後のとりで

 府は府立高校再編整備計画に基づき、島本高校(島本町)と茨田高校(大阪市鶴見区)、泉鳥取高校(阪南市)の3校の募集停止を提案しています。
 この間、府の周辺部に位置する高校や、高校進学を願う子どもの「最後のとりで」となる高校が募集停止にされました。府の施策により府域全体で偏差値による競争と学校の序列化が進んだことや、3年連続「定員割れ」の高校を統廃合の対象とする府条例が背景にあります。
 2017年以降、毎年24~40校程度が定員割れとなっています。「進学セーフティーネット」として、公立・私立高校の募集数の合計が進学予定者数を上回ることを基本としているためです。
 内海氏は「『行き場のない子』を出さないための制度を理由に学校をつぶすことには道理がない」と強く批判しました。
 通学区が14年度に全廃され、通学にかかる時間的・経済的負担が生徒や保護者に重くのしかかります。
 内海氏は「地域の高校廃止は、負担の少ない地元の学校に通うという選択肢も奪う」と指摘しました。

少人数学級で条件の整備を

 さらに、府教委が普通科高校を6学級以上とし、1学級40人で募集していることについて、全国的には2~4学級が少なくないことや、多くの都道府県が少人数で募集していること、OECD加盟国の多くは20人余りであることを紹介。「少子化を理由に高校をつぶすのではなく、少人数学級の実施や学校規模の縮小など、一人一人に行き届く教育のための条件整備、改善こそ行うべき」と主張しました。
 内海氏は関係者との協議を行うなど府条例を改定すべきと提案。吉村知事は「府内の子どもの数が半分以下になり、学校の適正規模の維持が必要」と従来の答弁を繰り返しました。
 内海氏は「あまりに無責任。3校の募集停止は撤回し、現実との矛盾を一層深める府条例の改定を」と強く求めました。

(大阪民主新報、2021年12月5日号より)

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