総選挙でジェンダー平等掲げて
若い世代などの共感
の可能性と手応え
総選挙で、日本共産党のジェンダー平等政策が、若い世代などにどのように受け止められたのかなど、党府副委員長でジェンダー平等委員会責任者の渡部結さんからの寄稿文を紹介します。
日本共産党府副委員長・ジェンダー平等委員会責任者 渡部結
今回の総選挙では、ジェンダー平等を大争点に位置付けて訴えたことが、とりわけ、若い世代・真ん中世代に共感を広げました。私が候補者としてたたかった大阪3区でも、そのことを実感する新しい出会いが数々あり、選挙後も新たなつながりとなっています。
ケア労働もジェンダーから
街頭で涙しながら話を聞いてくれた女性に話しかけると、「ケア労働者の待遇改善をジェンダー平等の視点で訴えてくれたことが嬉しかった」と話してくれました。改めて、人間の尊厳に関わる大事な訴えをしていることに身が引きしまる思いがした瞬間でした。
おかえりなさい宣伝で対話になり、「選択的夫婦別姓を実現してほしい」と話してくれた男性は、フェイスブックページを通して、「共産党にいれましたよ」とメールをくれました。選挙後、お礼などのやり取りをする中で、私の個人後援会に入ってくれることになりました。
同性婚実現へエールを交換
LGBTQ当事者の方々との出会いもありました。こむら潤比例候補と取り組んだ、ジェンダー平等をテーマにしたトークライブには、同性婚の実現を切実に願っておられる女性カップルが来てくれました。彼女たちは私たちの話に、「全てに共感します」と感想を話してくれ、「同性婚実現へ、一緒に頑張ろう」とエール交換ができました。選挙後、彼女たちが関わった、同性婚を求める展示会「わたしたちだって“いいふうふ”になりたい」展でも交流を深め、「もっとLGBTQや同性婚に関して知ってもらう機会をつくろう」と、トーク企画の相談を始めています。
「自分らしく生きたい」と
私たちが、選挙という開かれた場で、ジェンダー平等の実現を訴え抜いたことは、「自分らしく生きたい」という心の奥底からの渇望を、心の中に置いておくだけではなく、口にだして語っていいという雰囲気をつくる上で大事な貢献をしたのではないかと思っています。そしてこのテーマに真剣に向き合い、党活動の中でも実践することは、風通しのいい組織をつくり、団結を育み、いきいきと活動する上で欠かせないと感じています。
遠い政治課題ではない政策
大阪3区にあたる木津川南地区では、仲間の声をきっかけにパワハラ学習交流会に取り組みました。日々、余裕のない職場の中で、党員自身がパワハラの当事者になってしまうことが起こっています。そうした時に共産党として、一人ひとりを大事にする立場で問題に向き合い、解決に向けて努力することが求められています。
その実践として取り組んだ学習交流会では、次々と職場の実態や悩みが話され、思いを共有し合う場となり、選挙をたたかう力にもなりました。ジェンダー平等政策は遠い政治課題ではなく、日々の生活で、自分たちの目の前で起こっている問題を解決する政策であり、人権や尊厳を大事にしようと言っている党として、日々の党活動の中でこそ実践が求められることを改めて感じました。
気軽に学習して取り組みを
第4回中央委員会総会では、ジェンダー平等を求める多様な市民の運動と連帯を広げ、この課題を国政の中心課題にすえさせるたたかいが呼びかけられました。
選挙後、感想を聞いていると、このテーマに対する若い世代などの反応に手応えを感じている一方で、「なかなか自分の言葉では語れない」「もっと学びたい」という声も少なくありません。ジェンダーパンフとともに、党愛知県委員会が作成した「ジェンダーってなんじゃ?Q&Aパンフ」も活用して、気軽に学習するところから、党内でも取り組みを広げていきたいと考えています。
府委員会のジェンダー平等委員会では痴漢被害の実態調査も実施したいと話しあっています。
自己改革しながら向き合う
先日、26歳の民青同盟員が入党してくれました。これまで政治に興味関心がありませんでしたが、ツイッターを通して今の政治に危機感を感じ、10月から「しんぶん赤旗」日曜版を購読。総選挙で初めて投票に行き、10月31日の投票日に民青同盟に加盟し、その後、入党も決意してくれました。
彼女の急速な変化を目の当たりにして、ジェンダー平等をはじめ、党の政策、未来への展望が届いたところでは大きな共感をつくりだせる可能性と手応えを感じています。
ジェンダー平等を求める流れが、国際的な人権保障の主流となる中で、党自身が自己改革しながら向き合い、推進する努力をしてこそ、新しい世代、若い世代の方たちとも共に活動できる組織になれると思います。私もその先頭に立って頑張りたいと思います。(わたなべ・ゆい)
(大阪民主新報、2021年12月19日号より)