気候危機打開へ社会システム改革を
共産党府委 自然環境保全協会と懇談
生物多様性の確保 もっと重視して
地球温暖化による気候変動危機への対応を巡り、日本共産党大阪府委員会は20日、大阪市中央区内で、公益社団法人「大阪自然環境保全協会」の役員と懇談しました。気候危機に対する現状認識やエネルギー政策の課題、希少生物保護や緑化促進、生物多様性確保など多彩なテーマについて意見交換しました。
懇談には、同協会の夏原由博会長、金谷薫副会長ら5氏が出席。共産党側は、たつみコータロー府副委員長(前参院議員・大阪選挙区候補)、長岡ゆりこ大阪市議ら5人が参加しました。
温室効果ガス最大6割削減
懇談の席上、たつみ氏は、2030年度までに温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素(CO2)を最大60%削減(10年度比)する「2030戦略」の概要を紹介。電力需要の50%を再生可能エネルギーで賄い、省エネ技術で消費を4割削減できるとし、「省エネ技術向上への政策支援、石炭火力と原発依存脱却は急務。経済・産業発展のため社会システムの大改革が必要」と述べました。
気候変動と切り離せぬ課題
夏原会長は、同党の政策について省エネを重視した点は共感できるとした上で、再エネについては電力逼迫時の対応や大規模開発につながる課題を指摘しました。CO2吸収源となる森林保護が求められるとし、「生物多様性確保は将来世代にわたる生存基盤維持に不可欠。気候変動と切り離せない課題として重視してほしい」と話しました。
同協会が各地で実施する自然観察会や里山保全活動、タンポポ在来種の分布を調べる市民参加の大規模調査など、多彩な取り組みが紹介されました。
夢洲は生き物たちの楽園に
2025年予定の大阪万博を巡り、会場予定地の夢洲で重要な哺乳類や環境省レッドリストの絶滅危惧種に指定された鳥類のコアジサシの繁殖などが確認されたと指摘。生態系に影響しないようまとめた提言書も示され、「生物多用性に富む生き物たちの楽園。貴重な湿地保護の大切さを広く市民に働き掛けていきたい」と語られました。
懇談では、街路樹や公園緑地保全、水源保護や公的水道事業の課題、台風・大雨など自然災害に加えシカなどの獣害にも気候変動の影響が見えると指摘され、気候変動と生物多様性の「2つの課題」をあわせて解決する必要性が強調されました。
(大阪民主新報、2021年12月26日号より)