おおさかナウ

2022年01月01日

上本町の名物焼き鳥店「こけこっこ」
大門みきし参院議員が訪問

「意気に感ずる心を忘れるな」と
日本共産党参院議員 大門みきしさん

死なずに生きてほんまよかった
「こけこっこ」店主 奥本和夫さん

 日本共産党の大門みきし参院議員(参院比例候補)がこのほど、大阪市天王寺区の上本町にある焼き鳥屋「こけこっこ」を訪問。店主の奥本和夫さん(73)から、コロナ禍の中の商売の苦労や政治への要望などを聞きました。コロナの問題から始まった2人の話は、奥本さんの半生や平和への願いにも広がりました。

売上はコロナ禍前の半分に

 2021年に開店25周年を迎えた「こけこっこ」は、炭火焼の焼き鳥のおいしさや手頃な価格、奥本さんの温かい人柄に魅せられ、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の客でにぎわってきました。近くの新歌舞伎座の公演出演者をはじめ芸能人、落語家、相撲界関係者などもよく来ます。店内の壁には色紙が所狭しと並んでいます。
 大門さんは、参議院で予算委員、財政金融委員、地方・消費者問題特別委員会員を務め、コロナ対策問題でも中小企業支援に尽力。現場の声を聞き、運動と力を合わせて持続化給付金の創設・拡充に取り組んできました。
 コロナの中で店も21年4月から10月まで7カ月間休業を余儀なくされたと聞き、「生活はどうされていましたか」と尋ねる大門さんに、奥本さんは国・府から休業支援金が出たと答えました。
 「あの制度は地方創生臨時交付金と言うんですが、最初につくれと言ったのは私なんです」と大門さんが話すと、「へえ。素晴らしい」と奥本さん。大門さんは、08年のリーマンショック時に国が出したお金を地方が使う制度があったことを若い役人に伝えたところ、礼を言われたこと、与党の指示もあって最初は少なかった予算規模が広がっていったことを紹介しました。
 奥本さんは、「(支援金の)手続きでは天王寺民商さんにお世話になって、ほんま助かりました」と語りました。
 お店は10月に再開。コロナ前の60%ぐらいのお客が戻ってきたものの、2階席は当面閉めている一方で、知人や家族に店に入ってもらったり、できるところまで経費を抑えても、家賃、冷蔵庫などのリース料、水光熱費、人件費などの固定費は変わらない中で、売り上げは半分になっています。

会社の倒産で自殺も考えた

 お店の成り立ちについて大門さんが尋ねると、奥本さんは、元々、建築資材を扱う店で働いていたが、独立して立ち上げた工事会社で作った資材が大当たりし、湯水のようにお金を使う日々だったこと、バブル崩壊などを背景に数億円の負債を抱えて倒産し、明日食べるお金もなくなり何度も自殺を考えたこと、そんな時に焼き鳥屋で働くことを誘われ、その後、独立したことを話しました。
 たまたま店の近くに事務所を構えていた落語家の桂文福さんが常連客になったことから、文福さんの落語家仲間やなじみの相撲関係者がどんどん店に来てくれるようになり、開店8年目の04年に鳥インフルエンザで客足が遠のいた時も、文福さんが「こけこっこ寄席」と銘打って落語会で応援してくれたことなどを語り、「皆さんに助けられてきました。死なずに生きてきてほんまによかった」としみじみ話しました。
 店で出す焼き鳥は、新鮮でおいしい状態で提供できるようにと「朝引き鶏」を仕入れ、備長炭で奥本さん自らが焼きます。
 大門さんは、「もうけだけでなく本当の意味でお客さんを大事にしてこられたんですね」と語り、自身が手に負えないほどの“問題児”だった中学時代にいつも目を掛けてくれた恩師から、「意気に感ずる心を忘れるな」と言われた言葉が座右の銘になっていることを紹介。「奥本さんの生き方そのものに意気を感じます」と語ると、奥本さんも笑いながら「お金は追うたら逃げるんです。人との競争より自分に勝つことのほうが大事ですね」と返しました。

軍備・軍事に力いれるより

「こけこっこ」の店内で大門さんと奥本さん

 「政治に何を望みますか」との問いに奥本さんは、4回戦争に駆り出された父から生前、中国で一緒にいた中隊長が殺された話や、中国人が日本軍に銃剣で殺されたこと、内地の飛行場で特務曹長をしていた時に特攻兵を送り出したことなどを繰り返し聞かされたとし、「絶対に戦争は駄目。軍隊を持つことも9条改正もあきません」ときっぱり。「政治家の人たちは、軍備とか軍事に力を入れるのではなく、真剣に外交を考える人をつくってほしい」と語ると、大門さんは「本当にそう。平和外交はもちろん大事ですが、そのための人をつくれというのはすごく大事ですね」と話しました。
 「消費税も下げてほしい」と奥本さん。大門さんは、コロナ危機を受けて62の国と地域が「付加価値税」の減税を予定していることを紹介するとともに、23年10月に実施されようとしている消費税インボイス(適格請求書)が業者にとってさらなる負担になるとし、「安心して商売をしていただけるよう全力を尽くします」と語りました。

(大阪民主新報、2022年1月2日・9日合併号より)

月別アーカイブ