講演「維新政治と対決」
中村正男副委員長
講演「維新政治と対決」
主催:京都舞鶴地区委員会
2021年12月18日、京都府の舞鶴地区委員会で「維新政治と対決」をテーマに日本共産党大阪府委員会副委員長、中村正男さんによる講演が行われました。紹介します。開始は11分頃からです。
レジュメは以下のリンクからPDFファイルをダウンロードしてご覧ください。
舞鶴地区委員会(レジメ)
維新政治と対決――大阪のたたかいから
2021年12月19日 中村正男(大阪府委員会副委員長)
はじめに――「しんぶん赤旗」近畿のページ新連載「大阪府民の願いと維新の会」にふれて
1,総選挙をふりかえって――大阪府委員会の総選挙総括から
〇 「野党共闘」の大義と魅力がうきぼりにできなかったもとで――「自公政権批判」の受け皿となった「維新」
〇 維新は何を訴えたか① 「規制改革で成長」「自民党をピリッと」
「成長と分配はよいが、成長させるための改革を言わない。改革政党が維新以外になくなった。改革して成長をさせて、分配できるようにするのが維新、大阪では改革して成果を上げた」(吉村知事、第一声)
「自民党をピリッとさせる」(松井代表)
→ 真実はどうか
自公政権提案法案に維新は「なんでも賛成」(9割以上)。医療病床削減法案も、高齢者の医療費負担倍増法案も
〇 維新は何を訴えたか② 「大阪を変えた」
「大阪で出来たことを全国に広げれば日本は発展する」「大阪は子育てにお金がかかるところに分配してきた。学費無償化、私立高校の授業料無償化、給食費無償化」「企業が儲けて法人税をあげていく。いままでの納得できない税金の使い方を見直して、財源を確保する。それで分配する。10年前は想像できなかったことをやってきた。府と市が揉め倒して、産業生まず」(松井知事 第一声)
「大阪では府議は定数3割カット、報酬を3割カット、僕は市長だが4割カット、退職金なんてない」(政見放送 松井代表)
→ 「身を切る改革」どころか、松井知事退職金の場合は、毎年の歳費にオンしたため、一時金を加味すると、手取りは増えた! 政党助成金はふれず。
※ コロナ対策でも 「自民党政府、この国の政治がどこまでがやっているのか。僕は大阪コロナ重症センターを国がやらないからやった」(政見放送 吉村知事)
→ コロナ問題でも「二重の失政」。「未治療死」を含むコロナ感染による死者は全国ワースト、人口比ではインド以上にも。「近代の日本ではあり得ないことが大阪で起こった」(6月のNHK「かんさい熱視線」で)
〇 維新は何を訴えたか③ 「野党共闘=野合」攻撃を徹底して
「共産党は日米同盟破棄、自衛隊違憲。それでどうやって外貌防衛するか。
選挙目当ての談合だ」「政権選択選挙だ。われわれは数がない。政権取るとは言わない。過半数割れでピリッとさせる」(10月3日 ひるおびで松井代表)。
「立憲・共産はなんでも反対、上げ足取り。現実的な政治で自民党とガチンコの勝負するのは維新しかない」(吉村知事 第一声)
→ 「野合」しているのは維新。大阪でも4つの「公明現職区」に維新は候補者をたてず、「不戦敗」。選挙後テレビで「公明党と握った」と馬場幹事長
〇 大阪の「政治地図」はどうなっているか
「野党共闘」への障害物・維新 「自公vs野党共闘」の「一騎打ち構図」がつくれない
「都構想・住民投票」をめぐる「維新・公明」野合に屈した大阪の自民党
「維新首長」は17人・地方議員は250人に(府議47人、大阪市議40人、堺市議18人など。わが党の倍以上)
〇 府民は「維新」をどうみているか――「私たちから見る維新」と「維新支持者の見る維新」は全く別
「1000人ネット調査」から
維新支持層の特徴――➀「岸田政権支持派」からも「不支持派」からも「維新支持」が。②「伸びてほしい政党」「伸びてほしくない政党」をとると、維新は「伸びてほしい」の上位に並び、その理由として、「自民党ではなし得ない改革を進めてくれそうだから」「大阪で実績がある」「実行力がある」「吉村知事を支持しています」「自民党にも立憲民主党にも期待できないから」など。
わが党にたいしては、「政策が現実的でない」「できもしないことばかり・理想論ばかり言ってる」「批判・悪口ばかり」など。
2,大阪での維新とのたたかい。この10年をふりかえって
〇 79年以来の「オール与党」体制崩壊のなかで
「関西空港・大阪湾ベイエリア開発」などゼネコン浪費型巨大プロジェクトの破綻。関経連(関西経済連合)は21世紀前夜、「関西経済は絶対的衰退」と(いまも「失われた30年」と嘆く)。
「オール与党」体制はもたず、2007年大阪市長選、2008年府知事選で二手にわかれた。
このなかで、テレビタレント弁護士・橋下徹氏が登場し、「自公推薦」で当選した。
〇 「維新」の「結党の旗印」=「大阪都構想」
知事就任後の「WTCへの大阪府庁移転案」が否決される。ここから、議会に手をつっこみ、「自民党・維新の会」を結成。さらに「大阪都構想」を「旗印」に、「大阪維新の会」へ(2010年4月)
「大阪維新の会」HPのうたい文句から
2011年、橋下氏が知事を辞任し、大阪市長選に(知事選とのダブル選挙)。初めからウソにまみれていた「都構想」。「騙されないで下さい。維新の会は、大阪市をバラバラにしません」と法定ビラに
3,関西財界と維新の関係について
〇 特異な論法とパフォーマンスで耳目を集めて
「二重行政のムダ」を「大阪都構想」の大義に――「オール与党」政治、「自公政治」破たんの要因と責任をすべてあいまいに。
「身を切る改革」を叫び、府議会定数を88に削減。「職員は知事の顔色を見て仕事せよ」としめつける「職員基本条例」。断罪された「市職員思想調査」。
「市バス運転手が年収800万円」など公務員と民間、正規と非正規を分断しあおる論法で。
「国はぼったくりバー」「クソ教育委員会」などがメディアにとりあげられて。
「決定できる民主主義」=「選挙で勝てばなんでもできる」と。「選挙」と「議会」と「メディア」を「独裁手法のツール」に。
〇 「異質の危険」
「大阪都構想」は「統治機構改革」。彼らの目に映るのは「自治体」ではなく、。住民は「自治の担い手」ではなく、「統治の対象」
「維新八策」(日本大改革プラン)に込められた狙い 改憲と労働法制の撤廃と社会保障制度の改悪と
橋下暴言(2013年)――「慰安婦が必要だったことは誰でもわかる」。
改憲論ののろし――「教育無償化」をかかげて。
〇 市民共同の最初の勝利――2013年堺市長選挙、2015年大阪市・住民投票
「論戦の力」「共同の力」「草の根の力」による勝利
威力を発揮した「日刊ビラ」
「組織力のある共産党が相手方についたから負けた」(橋下市長・当時の答弁)
自民党は「維新政治を終わらせる」とまで府連スローガンに(2015年秋のダブル選挙)
〇 維新の巻き返し――公明党との「密約」「脅し」で「都構想賛成」に転覆させる。力関係は大きな変化。
最大のテコにした「自民・共産野合」攻撃。すぐに屈した大阪の自民党
〇 2020年住民投票――市民の良識と共同の勝利
墓穴を掘った維新 ①「維新・公明野合」の矛盾と怒り ②「大阪市役所ぐるみ」への大きな反発
大阪市内に1000万枚のビラ配布、10回以上のテレビ討論で互角に。「路上こそ主戦場」を合言葉にした情報提供型宣伝・対話。SNS発信でも「大阪市廃止反対」派が上回る。
――「結党目的」である「都構想」は許していない。ここに大阪の良識と共同の一つの到達点がある。
〇 大阪の歴史的課題――「二重の逆流」を打ち破る
3,参院選、統一地方選挙に向けたたたかいの展望と課題
〇 維新政治と府民・大阪市民の矛盾は、「維新伸長」によって、より拡大する
- 改憲と「河野談話」撤回をあおる、先兵ぶりをあらわに
- コロナ対策に逆行する医療病床削減問題
- カジノ誘致とカジノ頼みの「成長戦略」の矛盾、破たんの道
- 「どの子の成長する教育」とほどとおい「教育改革」
- アキレス腱、「政治とカネ」問題、議会定数削減による民意きりすて
国民民主の”維新すりより”にたいする大きな警戒と反発。
大阪で170万もの票を投じた府民の期待はこんなところにはない。
〇 決定的カギ、広大な裾野を広げる府民運動と党建設。維新を上回る力をつけること、そのなかで「野党共闘」を軸にした対決構図をうちたてる。
〇 参院選と知事選・統一地方選挙を一体に
府委員会として「府政対策会議」(府議団と衛星都市の地区委員長、行政区責任者)「大阪市政対策会議」(大阪市議団と大阪市内地区委員長)を毎月。