2022年01月29日
「形だけの5分間だ」
IR計画案公聴会
反対意見や批判相次ぐ
大阪府と大阪市は、カジノを核とする統合型リゾート(IR)を誘致するための「区域整備計画案」についての1回目の公聴会を23日、大阪市浪速区内で開きました。府市共同設置のIR推進局が主催したもので、9人の公述人全員がカジノ誘致に反対し、計画の撤回を求めました。
公述人からは「IR全体の収入のうちカジノの収入が8割の4200億円となっているが、根拠についての説明がない。年間2千万人の来場者数も課題な想定ではないか」「ギャンブル依存症対策が最初から放棄されている。誘致計画そのものを撤回すべき」などの意見が相次ぎました
24日に同市住之江区内で開かれた2回目の公聴会でも、10人のうち9人が誘致反対の立場で公述し、夢洲の土壌汚染対策などに790億円の公金を投入する問題などを厳しく批判。「カジノの売り上げは市民から巻き上げたお金。人の不幸の上に成り立つカジノを自治体が進めるのか」などの意見が出ました。
公述は2回とも定員の20人に満たず、傍聴者(定員60人)は1回目が23人、2回目が20人という少なさ。公聴会は2時間の予定でしたが、公述の制限時間は1人5分で、2回とも約1時間で終了しました。
4回だけ開く公聴会の開催が発表されたのは昨年12月23日で、公述や傍聴の申し込み締め切りは、年明けすぐの1月8日という急なスケジュール。IR推進局は「締め切り時点で定員に満たなかった」と話しました。
1回目の公聴会では公述人などから、「何のための公聴会か」「形だけの5分間(の公述)でみんなの意見が分かるのか。まじめにやりなさい」「吉村知事や松井市長がここに来るべきだ」などの批判が相次ぎました。
(大阪民主新報、2022年1月30日号より)