ありのまま 〝カラフルな社会〟に
たつみ氏「国政ミーティング」
LGBT当事者迎え語り合う
たつみコータロー参院大阪選挙区候補(前参院議員)の「あなたと政治を語り変えていく懇談会」シリーズ第4弾が3月29日オンラインで行われました。ゲストに性的少数者(LGBTなど)の当事者でレズビアンカップルの井上ひとみさんと瓜本(うりもと)淳子さんを迎え、「ジェンダー平等―変えようカラフルな社会へ」をテーマに語り合いました。同党府ジェンダー平等委員会責任者の渡部結副委員長が進行役を務め、「ユーチューブ」でライブ配信。番組録画はたつみ氏の「ユーチューブ」チャンネルで視聴できます。
井上さんと瓜本さんは最初に、性的少数者の総称として主に用いられる「LGBT」について、「L」は女性の同性愛者のレズビアン、「G」は男性の同性愛者のゲイ、「B」は異性・同性ともに恋愛対象になるバイセクシュアルの頭文字で、好きになる性別=「性的指向」を示す概念だと紹介。一方、「T」はトランスジェンダーの頭文字で、自分の性別についての認識「性自認」を指し、「出生時に割り当てられた性とは異なる性自認で生きている、または生きていたい人です」と紹介しました。
当事者は身近にいると想像して
性的少数者はLGBT以外にも性的指向や性自認をまだ決めたくない人「クエスチョニング」、規範的な異性愛以外の全てのセクシュアリティーを指す「クィア」、さらに男女いずれも好きにならない人などさまざま。日本の性的少数者は人口の3~10%との調査結果を示し、「皆さんの身近にもいると思い浮かべてほしい」と語りました。
井上さんは高校生の時、自身がレズビアンだと自覚したと振り返り、授業で「同性愛を否定する理由を見出せない。無知であることから自分を傷付け、人を傷付けない人であってほしい」と語った教員の言葉に勇気をもらい、自己肯定感を高める契機になったと語りました。
祝福されないと思っていたが…
「彼氏はいるの?と質問されたり、婚活パーティーに誘われ返答に詰まった」「パートナーを友達とか同居人と説明してきた」。同性愛者であることを周囲に公表していなかった時期は、小さなうそを重ねているようで罪悪感に苦しんだという2人。公開イベントで700人を前に結婚式を挙げカミングアウトしたと述べ、「周りから祝福されることは一生ないと思い続けていました。存在を認めてもらえるという安心感は大きい。幸福を追い求めるスタート地点に立てた」と話しました。
誰にも相談できず悩む人が多い
同性カップルを戸籍上の家族と認めない民法などの課題に触れ、「同性婚を国が認めることで、当事者の不安解消や差別と偏見の解決につながる」と強調。「性的少数者の人たちは、誰にも相談できず悩む人が多く、自殺に向かう現実もあります。全て理解することは難しくても、知識として知って、当事者の気持ちを想像してほしい。できれば支援する人(アライ)になって、寄り添ってもらえればうれしい」と語りました。
「お話を聞きながら胸が熱くなりました」。たつみ氏は感想を述べ、「性的少数者が差別的扱いを受けることなく、平等に、ありのままに生きられる社会でなければなりません。政治の最優先課題の1つとして、同性婚実現など法整備に全力を挙げたい」と語りました。
共産党のポスター見てうれしく
瓜本さんは、街中に「ジェンダー平等」と書かれた共産党のポスターを見つけるとうれしいですと語り、「どうして共産党は『ジェンダー平等』の実現を掲げているのですか?」と質問しました。
たつみ氏は、日本共産党自身が1970年代に同性愛に対して偏見に基づく認識を持っていた経過、2020年の綱領改定で「ジェンダー平等社会をつくる」と明記したことを紹介。「私自身も常に学ぶ立場で、社会にある無知と偏見を取り除くよう行動していきたい」「ジェンダー平等社会は政治が変われば実現できます。決めたからにはとことん追求していきますよ」と力を込めました。
めちゃくちゃ頼もしいなと感じ
井上さんと瓜本さんは、「ジェンダー平等ってあまり選挙の票に直結しないと感じていました。それでもやってくださると言ってくださりうれしい」「いまの辰巳さんの話を聞きながら、めちゃくちゃ頼もしいなと感じた」と話しました。
番組中にも視聴者から共感や激励のコメントが寄せられ、「私自身もアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)があると思う」などの感想がありました。
同性婚を認めている国
オランダ |
ベルギー |
スペイン |
カナダ |
南アフリカ |
ノルウェー |
スウェーデン |
ポルトガル |
アイスランド |
アルゼンチン |
デンマーク |
ブラジル |
フランス |
ウルグアイ |
ニュージーランド |
英国 |
ルクセンブルク |
メキシコ(※) |
米国 |
アイルランド |
コロンビア |
フィンランド |
マルタ |
ドイツ |
オーストラリア |
オーストリア |
台湾 |
エクアドル |
コスタリカ |
チリ |
導入順。(※)一部の州
同性婚を認めている国は30カ国に
同性結婚が認められている国は現在30カ国(表参照)で、アジアでは台湾だけです。日本では同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」を導入する自治体が増えていますが、G7では日本だけが同性婚を認めていません。
同性婚を認めないのは違憲と訴えた訴訟で札幌地裁は昨年3月、「法の下の平等」を定めた憲法14条違反だとした初の司法判断を下し、注目されました。一方、判決は「婚姻の自由」を定めた憲法24条などには違反しないとし、控訴審が続いています。同性婚を巡る訴訟は5裁判所でも進んでおり、大阪地裁でも6月に判決が言い渡されます。
(大阪民主新報、2022年4月10日号より)