「維新支持層」「支持なし層」への働きかけを大きく
日本共産党大阪府委員会副委員長 中村正男
「維新支持増」「支持なし層」への働き掛けを呼び掛けた中村正男・日本共産党府委員会副委員長の寄稿文を紹介します。
大阪の維新が自民・公明政権と「翼賛化」し、「九条改憲」「大軍拡」「核共有」をはじめ、危険な逆流の中心を担っています。参院選での日本共産党躍進でこれを打ち破ることは、大阪の日本共産党の大きな責務です。
府委員会が6月に開いた「大阪府政・市政対策会議」で、私は、とくに力をこめ、①「自公維翼賛勢力VS日本共産党」の対決構図、「3つの政治的争点」がくっきりしていること、②「維新支持層」「支持なし層」にどれほど働きかけるか、対話・支持拡大がカギを握ると訴えました。
「自公維か、日本共産党か」――「3つの争点」がくっきりするなかで
大阪の政治的対決構図、政治的争点がくっきりしていることは、大阪府委員会が発表した参院選アピール(4面に全文掲載)でのべています。
総選挙で維新は「自公政権をピリッとさせる」(松井代表)と「野党ポーズ」をとりました。「野党共闘の大義と魅力」が伝わらなかったこともあり、「政治を変えたい」と願う府民の期待が維新に集まりました。しかし、公然と「九条改憲」「核共有」に踏み出し、自公と翼賛化する維新に、そんな期待を寄せられるでしょうか。
また総選挙では、全国的に「自公政権VS野党共闘」の土俵をしくなかで、大阪では維新とのたたかいを独自にすすめる「二重の論戦」が求められました。これに対して参院選では「平和」「くらし」「カジノ」の問題のいずれもが、「自公政権」にも、「維新」にも、ストレートに矢があたります。
こうした様相をつかんで、攻勢的に「自公維翼賛勢力」か、「日本共産党」かをつきだして、党の政策、姿を広げましょう。
「維新支持者」をどうみるか
総選挙で大きく伸張した維新とその支持者をどうみるかは、大事な問題です。
この点で、維新が国会に進出した2012年から21年までの、大阪の総選挙の比例得票の推移(グラフ)を見ると、大きな振幅があります。国政進出した2012年は約140万票。ところが14年は約114万票、17年は約93万票まで減りました。15年の住民投票で「都構想・ノー」をつきつけたこともあるでしょう。それが昨年の総選挙では、170万票まで伸びました。
いろいろなデータをみると、たとえば年収1000万円以上層は、維新も強いが自民党がより強い。一方、年収200~300万の層では、自民党以上に維新が強いというものもあります。この層でも「政治を変えたい」という願いが、維新に流れているのでしょう。
私が大事だと思うのは、維新支持者は私たちと相容れない「水と油」だと見ないことです。もともと維新が勢力を伸ばしたのは、国政での自公政権への批判、大阪でのかつての「オール与党」政治への批判が、踏み台になったからです。そこには私たちと相通ずる思いも横たわります。
大阪市の住民投票のとき、「私たちから見る維新と、維新支持者が見る維新とは、まったく別」と強調し、「情報提供型」の宣伝・対話を重視しました。
ある調査で「参院選で維新に伸びてほしい」という方が、その理由を自由に書かれたものを見ました。「自公政権を変えてほしいから」「大阪を変えたから」「財政を立て直したから」「身を切る改革をしているから」と並びます。
考えさせられたのは、維新支持者の多くの皆さんは、維新が発信する情報以外には、ほとんどふれていないのではないかということです。吉村知事のテレビ出演、ネット発信などはストレートに響き、大阪のメディアはほぼ検証なしに報道しています。これをどう覆していくか。
支持なし層の皆さんは、これだけ維新が強い大阪でも、「維新には引き寄せられなかった」方々です。維新政治に対しても客観的、冷静に見て、先の調査でも「改革を装う中で、結局『勝ち組』のための政策に終始しているから、あかん。端的な例はカジノ」「大阪都構想やIRなど政治に混乱をもたらしている」などの声がみられます。ただ、日本共産党の政策、姿は充分視野に入っていません。
日本共産党に対しては、「こんな時だから、野党らしい野党に頑張ってほしい」などの底堅い期待があります。同時に、「反対ばかり」「いいことを言うが現実的ではない」「旧ソ連と同じ」などの声もあります。
「まるわかりパンフ」を大きく広げて
私たちは「大阪の日本共産党まるわかりパンフレット」をつくりました。このパンフレットでは、押し付けではなく、自公とも、維新とも、違う道――「もう一つの選択肢」があること、「日本共産党だからできる大改革があるので、一度見てください」と表紙に書きました。
維新支持者の皆さんには、もう一つの情報をぜひ知ってほしいし、支持なし層の皆さんには、日本共産党ならではの政策や立場を見てほしい。そういう思いです。日本共産党に関心、疑問をお持ちの方にも「日本共産党ならでは」の姿を伝えています。
「日本と大阪の政治を変えたい」という願いは、「改憲・暮らし破壊・カジノの自公維翼賛勢力」ではなく、「日本共産党へ」――宣伝・対話の大波をおこし、大阪比例70万票で大門みきしさんをはじめ5人全員当選、たつみコータロー勝利を切り開きましょう。
(大阪民主新報、2022年6月19日より)