時代をつないで 大阪の日本共産党物語

第95話 2014年総選挙の躍進

「1万人のつどい」

 2014年11月7日、5カ月後のいっせい地方選勝利へ、大阪の日本共産党は大阪市立中央体育館で「1万人のつどい」を開きました。134人の府内地方議員・候補者がせいぞろい。書記局長の山下芳生が「安倍暴走政治ストップ、維新政治に退場の審判を」と訴え、絵本作家の長谷川義史が初登場し、「憲法9条という重石が絶対必要」「平和でこそ夢が追い求められる」とゲストスピーチしました。
 その直後、12月2日公示、14日投票で総選挙が確定的になります。安倍内閣のもとで4月に消費税率が8%に上げられ、15年10月には「10%増税」も実施予定でした。7月には憲法解釈を覆し、「集団的自衛権行使容認」を閣議決定しました。高まる怒りのなか、安倍首相は「消費税10%増税先送り」を表明して、総選挙に打って出ました。
 11月12日の日本共産党全国都道府県委員長会議は「1週間以内にすべての選挙区で小選挙区予定候補者の確立を」と提起。18日夜、大阪府委員会は19人の小選挙区候補者を発表しました。

「対決、対案、共同」

 総選挙は、2000年総選挙以来続いた「自民か、民主か」の「2大政党づくり」も、それに代わる「第三極」づくりも、「日本維新の会」分裂など、破たんするなかで実施されました。大阪では維新による「都構想」の「協定書」案が10月に府議会、大阪市議会ともに否決されました。
 大阪府委員会は「ええやんパンフ」(大阪から政治を変える日本共産党 ええやん/安倍政権・維新の暴走あかん)を発行し、安倍政権と維新政治に「対決、対案、共同」で臨む日本共産党の姿を押し出しました。
 公示日12月2日夕、梅田での志位委員長「第一声」では、「集団的自衛権NO。9条の精神にたった外交を」「消費税10%は『先送り』実施でなく、キッパリ中止」「STOP『アベノミクス』。暮らし第一で経済をたて直す」「原発ゼロの日本へ」「新基地建設を中止。基地のない平和な沖縄へ」の「5つの転換」をかかげ、「消費税に頼らない別の道 日本共産党の財源政策」も訴えました。

無党派層の広い支持が        

比例近畿ブロックの議席倍増を勝ち取り万歳する(右から)山口勝利府委員長、当選を決めた宮本岳志、穀田恵二、清水忠史、堀内照文、参院議員の辰巳孝太郎の各氏=2014年12月15日未明、大阪市中央内

 総選挙の結果、日本共産党は大阪の比例得票を31万4千票から44万9千票へ伸ばし、近畿ブロックは2議席から穀田惠二、宮本岳志、清水忠史、堀内照文の4議席に倍増。全国では8議席から21議席へと18年ぶりの躍進をとげました。小選挙区でも、大阪3区わたなべ結、5区石井みすずの得票率を42%にまで伸ばしました。
 大阪の比例得票は前回比で143%。維新も民主も共に78%に後退しました。投票日前日、橋下徹はなんばでの打ちあげ演説で、「維新の党は完敗」と早々と宣言していました。
 勝利の原動力は、無党派層の支持の広がりでした。「朝日」出口調査では「共産への無党派層の支持(19%)が、府内では自民党と肩を並べた」とされ、開票日夜、МBSラジオの番組では「投票に行かなかった人で、もし投票するなら比例は何党ですか」との問いに、47%の方が「共産党に入れた」と答えたと紹介されました。
 12月24日、初登院した清水忠史は、国会議事堂本館で「志位和夫」の隣に並んだ「清水」のボタンを「ご支援くださった大阪のみなさんの熱い思いを今一度思い起こし、力強く押させていただきました」と語りました。(次回は「大阪市・住民投票勝利」です)

(大阪民主新報、2022年6月12日号より)

 

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