おおさかナウ

2022年08月27日

反戦平和の党 改憲阻止の先頭に
国民の願いに応える政治へ共に
日本共産党創立100年 辰巳氏が講演

 日本共産党の辰巳孝太郎元参院議員は豊中市内で20日、「日本共産党が展望する未来」と題して講演し、創立100年を迎えた日本共産党の歴史、参院選の結果と教訓、政治課題の焦点について語り、「憲法、暮らし、民主主義、ジェンダー平等、気候危機など国民の願いに応えるたたかいに、皆さんと力を合わせていきたい」と述べました。同党豊中地区委員会の主催。

「国葬」、統一協会、改憲…政治の焦点語る

公約の実現へ全力で

 参院選について辰巳氏は、比例代表で3議席(361万票)にとどまり、改選6議席から4議席に後退、大阪選挙区でも議席奪還を果たせなかった結果に触れ、「かつてなく広がった期待の声に応えることができず、大変残念で悔しい」と述べるとともに、選挙戦で問われた平和や暮らしの課題は、引き続き日本の政治の熱い焦点だと強調。「国民に掲げた公約実現に向けさらに力を尽くし、必ず国政復帰を果たせるよう、共に頑張っていきたい」と決意を述べ、「党創立から100年を迎える今、戦前戦後を通じて反戦平和を訴え続けた党として、国民の苦難軽減、改憲阻止のたたかいに先頭に立つ」と語りました。

法的根拠ない「国葬」

 岸田政権が閣議決定した安倍晋三元首相の「国葬」問題について、内閣法制局も「法的根拠が明確でない」との見解を示したと指摘。国が検討している国民への黙とうの強制など、絶対にあってはならないと語りました。
 野党合同ヒアリングの際、官僚側が「国葬ではなく国葬儀だ」と強弁して、野党議員への回答を拒否した態度はあまりにひどいと批判。「桜を見る会」疑惑を巡って安倍首相(当時)が、「募集はしたが募っていない」などと国民をごまかす答弁に終始したことにも触れ、「国葬の最大の問題点は、暮らしと民主主義を破壊し戦争する国づくりを進めてきた政治の礼賛につながること。国会にも諮らずに閣議決定で『国葬』を開催する効力はなく、法治主義、民主主義を根底から崩しての強行は許されない」と批判しました。

宗教ではないカルト

 統一協会問題については、「反社会的カルト集団と政治家との癒着問題を解決することは、民主主義と日本の未来のため避けて通れない課題だ」と述べ、統一協会の反社会的活動の実体と日本共産党のたたかいについて詳しく報告しました。
 統一協会の霊感商法の被害相談は、1987年から昨年12月までの34年間で3万4537件、被害総額は1237億円(全国霊感商法対策弁護士連絡会調べ)に上るとし、大阪で1億円以上献金した被害者家族の訴えや、独自に入手した内部資料も示し、「組織として巧妙な集金システムを築き、これほど巨額の被害を広げた『宗教』は例がない」と指摘しました。
 辰巳氏は「そもそも統一協会は宗教ではない」とし、正式名称が「世界基督教統一神霊協会」であることや、宗教を装って聖書の言葉を断片的に引用・曲解した「原理講論」で集団結婚や霊感商法など、詐欺的伝道を合理化してきたと指摘。「『信教の自由』という議論や言い訳も成り立たない」と述べました。

自民・維新との癒着

国葬問題、統一協会、参院選結果、党100年の歴史と日本の未来などのテーマで語り合った集会=20日、豊中市内

 辰巳氏は、第2次岸田改造内閣の新閣僚8人が統一協会との関係があったと指摘。2015年の統一協会名称変更を巡る当時の下村博文文科相(前自民党政調会長)の関与疑惑、参院選公示前に自民党の萩生田光一経産相(当時、現・自民党政調会長)が、今回初当選した同党の生稲晃子氏を伴って統一協会関連施設を訪問した問題についても告発しました。
 辰巳氏は、統一協会と反共謀略組織「勝共連合」が一体の関係にある問題を詳述し、「同性婚反対」「反共主義」など、特異な政治的主張で一致する政治家たちが、統一協会と関係を深めていったと指摘。日本維新の会の政治家や府内の地方議員との統一協会との関係についても徹底調査が必要だと強調しました。
 集会では、選挙結果や暮らしと政治をテーマに参加者を交えて活発に意見交換しました。

(大阪民主新報、2022年8月28日号より)

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