おおさかナウ

2022年09月03日

カジノは止められる
住民合意は得られていない
「国は認可するな」署名を一気に

 大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)にカジノを核とする統合型リゾートの誘致を巡り、カジノに反対する大阪連絡会が、誘致計画を認可しないよう国に求める署名を呼び掛けています。目標は40万筆。秋の臨時国会までに国が認可する危険性もある中、連絡会に参加する団体・地域は一気に署名を広げようと、各地で署名活動や街頭宣伝、学習会などに取り組んでいます。日本共産党府委員会は20万筆を目標に、毎週金曜日の「府内統一宣伝行動デー」とするほか、8月25日にはJR・京阪京橋駅前で街頭宣伝を行いました。

街頭宣伝で訴える(右から)宮本、辰巳の両氏=8月25日、大阪市都島区内

日本共産党が街頭宣伝

国に認可しないよう求める署名に35人が応じました=8月25日、大阪市都島区内

 宣伝では宮本岳志衆院議員と、辰巳孝太郎元参院議員・党府カジノ・万博問題プロジェクトチーム責任者が訴えました。
 この中で辰巳氏は、カジノの是非を問う住民投票条例案の制定を求める直接請求に21万もの署名が集まったが、7月の臨時府議会で維新、公明などが否決したと指摘。「これでカジノ建設が決まったわけではない。最後は国の認可が必要で、多くの府民・大阪市民はカジノ誘致に反対。カジノは止めることができる」と、署名を呼び掛けました。
 宮本氏も「住民投票で府民の声を聞くことを避けて逃げた以上、住民合意は得られていない。国は認可せず、却下すべきだ」と力を込めました。
 辰巳氏は、カジノ用地の土壌対策への790億円の公費投入、夢洲関連の巨大開発の事業費が4千億円も上振れしていると告発。「松井一郎市長は『カジノには1円も税金を使わない』と言ったが、まったくのでたらめ。国は認定すべきではない」と述べました。
 宮本氏は、4月の衆院総務委員会で、夢洲を所管する大阪市の港営事業会計で790億円を負担する問題で追及したことを紹介。松井市長や市幹部らの会議(2021年6月)で、港営事業会計が破綻しそうになれば、一般会計で穴埋めすることが内々で決まっていることを明らかにしました。
 飛び入りでマイクを握った弁護士の大前治氏は、多重債務による自己破産や離婚の背景の一つにギャンブルがあり、「誰でもギャンブル依存症になる恐れがある」と訴えました。
 辰巳氏の公式LINEで街頭宣伝を知ったという大阪市都島区の女性(65)は、娘(35)とその友人女性(34)と一緒に署名。「維新の松井市長たちは、カジノに税金は使わないと言ってきたのに、いつの間にかどんどん話が変わってきているのが許せない。そもそも私はカジノに反対。賭博で経済が良くなるはずがありません」と話しました。
 署名した別の女性(76)=城東区在住=は、「コロナ対策だけでなく、子どもから年寄りまで税金を使ってほしいところはたくさんあるのに、カジノなんかに使うのはとんでもないです」と怒り、立ち止まって演説を聞いていた60代男性=鶴見区在住=は、「大阪にカジノをつくるメリットが分からないし、そもそも地方公共団体が推進することではないと思う」と話していました。

(大阪民主新報、2022年9月4日号より)

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