おおさかナウ

2022年09月10日

枚方市駅周辺を巨大再開発 市役所も移転
枚方維新市政 説明会せず条例案提出の構え
市民が反対署名運動

 

「民間」に市有地売却・タワマンも

維新の伏見市政が計画する枚方市駅周辺の再開発計画(日本共産党枚方市議団作成のイメージ図)

 枚方市の伏見隆市長が、9月8日開会の定例市議会(~10月13日)に、市役所の移転条例案を提案しようとしています。同市が京阪枚方市駅周辺で進める再開発事業の一環ですが、再開発についての市民説明会は一度も開かれないままです。

 枚方市は昨年3月に「枚方市駅周辺再整備基本計画(基本計画)」をまとめ、同駅周辺での再開発を始めています。19年の市長選に大阪維新の会公認で立候補し、再選された伏見市長は同年2月の市議会で「最重要課題の枚方市駅周辺再整備は何としてもやり遂げる決意」と表明していました。
 先行して開発が進んでいるのは、京阪本線と交野線に囲まれた土地と駅の北側にまたがる区域。高層ビル群を建設し、ホテルや店舗、事務所、住宅などのほか、行政サービス機能を設けた複合施設を整備するというものです。

アリーナ建設に約90億円の案も

 市はことし6月市議会に、現在の北河内府民センターがある位置に市役所を移転し、新築する庁舎と合築で、5千人規模のアリーナ(建築費約90億円)を建てる案を提示しました。現在の市役所周辺の市有地は民間に売却し、市民会館の大ホール跡地は「民間活力エリア」として民間に開発を委ね、タワーマンションを建設する動きもあります。

市駅周辺一変させる計画なのに

 枚方市駅周辺の街並みを一変させる計画ですが、議会には突然の提案。何よりも、市民への説明会などは一切行われていません。
 市は昨年1月、「基本計画」素案へのパブリックコメントを実施しましたが、新型コロナの感染拡大の中で市民説明会を中止したまま、計画を決定してしまった経過もあります。
 日本共産党枚方市委員会が7月から取り組んだ市民アンケートに、958通(8月27日現在)の回答があり、一連の再開発について「知らない」は64%で、「知っている」(36%)を大きく上回っています。
 その上で、市役所移転とアリーナ建設について「反対」50%、「賛成」17%、「分からない」34%。タワーマンション建設についても「反対」50%、「賛成」19%、「分からない」31%となっています。

市民合意ない大開発中止を
市民団体が学習会

 市民でつくる「市役所移転ノー・大型開発問題を考える会(考える会)」は8月27日、学習会を開催。大型開発の中止を求め、市役所移転を許さない署名を広げることや、来年の統一地方選や来夏の市長選に向け、市民のさまざまな要求を実現する取り組みを進めることを確認しました。
 日本共産党の、のぐち光男枚方市議(府議候補)が市役所移転などの問題点を詳しく報告。ほとんどの市民が、市有地売却や新庁舎とアリーナの合築について知らない中で、市民説明会を開くことが求められると強調。市民の財産である市有地の売却には、市民の合意が欠かせないと述べました。
 さらに駅周辺の大型開発推進の一方、中核市である枚方市の市民施策は大きく立ち遅れていると指摘。府内の他の中核市では、子ども医療費助成は18歳まで実施されているのに、枚方市では中学3年生までになっていることなどを挙げました。
 のぐち氏は、再開発は枚方の未来を左右する大事業で、来年の市議選、市長選でも大きな争点になると指摘。市は再開発の進め方について、来年3月から4月にかけてパブリックコメントを実施し、6月に改定案を示すとしているが、新しい議会、市長の下でしっかり責任を持って決めるべきだと述べました。

(大阪民主新報、2022年9月11日号より)

月別アーカイブ