おおさかナウ

2022年10月01日

子どもの学ぶ権利守れ
道理ない高校つぶしやめよ
市民団体が決起集会

 大阪府教委が、定員割れを理由に新たに府立高校3校を2024年度から募集停止しようとしている問題で、「道理のない高校つぶしに反対する決起集会」が9月23日、大阪市天王寺区内で開かれ、60人が参加しました。主催は「大阪の高校を守る会」。集会後、宣伝署名も行いました。

「子どもたちの学ぶ権利を守れ」と開かれた集会=9月23日、大阪市天王寺区内

他県にはない規定で10年間で16校も

 府教委は8月29日の教育委員会会議で、府立学校条例と再編整備計画に基づく22年度実施対象校案を発表しました。平野高校(大阪市平野区)、かわち野高校(東大阪市)、美原高校(堺市美原区)を24年度に募集停止し、それぞれ松原高校(松原市)、枚岡樟風高校(東大阪市)、大塚高校(松原市)に「機能統合」するというもの。11月の教育委員会会議で決定するとしています。
 他府県に例をみない「3年連続定員に満たなければ再編整備」と規定した府立学校条例が施行されたのは12年3月。以降わずか10年で、今回を含めると16の府立高校が廃校対象となり、阪南市唯一の府立高校の泉鳥取高校も、23年度からの募集停止が決まっています。条例以前の18校を加えると30校以上が廃校になっています。

公立校の定員にゆとりあるのは当然

 集会で奥野喜久夫会長は、「知らず知らずに学校が減らされ、いざ行くとなったら選択肢がないと、保護者から声が上がるようになった。これ以上学校をつぶしてはならない」とあいさつしました。
 全体報告した事務局長の志摩毅府高教委員長は、「子どもたちに学ぶ権利を保障するために設置されている公立高校の定員に、ゆとりがあるのは当たり前」だと強調。21年度入試で定員割れ2411人に対し、不合格者が5666人だったことを紹介し、学区撤廃や進学指導特色校設置など競争をあおる施策で定員割れがつくりだされていると指摘、「競争を緩和し、希望者全員入学こそ目指すべき」と述べました。
 また、府立高校の募集学級数が「1学年6クラス以上(6~8クラス)」としていることに触れ、全国の高校の過半数は「1学年6クラス未満」だとし、「小規模校化を図り、一人一人に目が届く教育を目指すべき」と指摘。36人学級にすれば1校も減らす必要がないと示し、「少子化をチャンスに少人数学級で教育条件の改善を行うべきだ」と述べました。

地域のセーフティーネットとしても

 当該校の関係者は、各校の歴史や特徴などを紹介しながら、「学校を存続させ、地域のセーフティーネットとして大切な役割を果たしていきたい」「東大阪で就職希望が多かった学校がどんどんなくなっている。中小企業を守るためにも高校を守りたい」など訴え。会場からも、「定員割れは悪いことではなく、希望者全員が入れるということ」「府立高校、小中学校つぶしなど、維新の教育政策を許さない運動を進めていきたい」などの発言がありました。
 集会では、日本共産党のうち海公仁府議、民主ネットの山田けんた府議も駆け付け激励・連帯あいさつ。11月の教育委員会会議に向け、廃校案撤回を求める府教委への要請署名や府民宣伝が呼び掛けられました。


集会後、宣伝する「大阪の高校を守る会」の人たち=9月23日、大阪市天王寺区内

 

(大阪民主新報、2022年10月2日号より)

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