広がる「カジノ反対」の声
大阪誘致計画「国は認可するな」
40万署名達成へ運動さらに
日本共産党府カジノ・万博問題PT責任者 辰巳孝太郎元参院議員に聞く
カジノに反対する大阪連絡会が9月28日、大阪のカジノ誘致計画を認可しないよう国に求める要請署名の第1次分7万9615筆を国に提出し、40万筆の目標を必ず達成しようと呼び掛けています。同連絡会には日本共産党も参加。同党府委員会カジノ・万博問題プロジェクトチーム(PT)責任者の辰巳孝太郎元参院議員に、誘致計画の問題点や国の審査を巡る情勢、今後の取り組みなどについて聞きました。
認可を巡って緊迫する情勢
――署名提出行動には、辰巳さんも参加されました。
辰巳 連絡会の皆さんと共に、寄せられた署名の現物を届けることができました。臨時国会までに国が認可するという危険な動きも伝えられる中、第1次提出に向けて奮闘された皆さんに、心から敬意を表します。
誘致計画は7人の有識者でつくる審査委員会が審査し、国交相が認可の判断を下しますが、審査委員会は日時も内容も非公開。認可を巡る情勢は緊迫しています。
大阪連絡会は署名の第2次集約を10月31日とし、取り組みの強化を呼び掛けています。40万筆の目標を必ず達成し、「カジノ反対」「国は認可するな」の声を大阪から国に突き付けましょう。
問題だらけの大阪誘致計画
――署名提出に続き、国との意見交換も行われましたが、誘致計画の問題点は。
辰巳 私たちは、誘致計画を認可する前提条件である「地域住民の合意」がなく、認可すべきでないと訴えてきました。同時に、カジノ予定地である大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)の問題点も明らかになっています。
大阪市は夢洲の土壌対策で790億円の公費負担を決めました。夢洲は超軟弱地盤で、地盤沈下は必至ですが、その対策は790億円に含まれていません。カジノ事業者と大阪府・市が結んだ「基本協定」では、夢洲の土地課題を解決する費用はすべて大阪市が負担する契約になっており、今後どれだけ公金投入が膨らむか分かりません。
国交省は意見交換で、審査委員会に夢洲の土壌問題を伝えていると答えましたが、委員には土壌問題の専門家はいません。国交省自身の責任を果たさせる上で、署名運動の中で夢洲の問題点を広く伝え、世論を喚起することがいよいよ重要になっています。
「しんぶん赤旗」日曜版(10月2日号)のスクープで、大阪市がカジノ事業者に貸す用地の賃料を不正に値引きし、その額は35年間で計500億円に上るという新たな疑惑が浮上しています。
国交省は私たちに「認可ありき」ではないと説明し、誘致計画に法的な瑕疵(かし)があると明らかになった場合は、認可後でも認可を取り消す可能性があると答えました。誘致計画を巡る問題点を徹底追及し、世論で追い詰めましょう。
意見書可決や新たな変化も
――第1次署名の提出後も、カジノに反対する運動が広がり、新たな変化も生まれています。
辰巳 堺市議会は9月30日、大阪の誘致計画について国に「慎重かつ厳正な審査を求める意見書」を全会一致で可決しました。意見書は、カジノの整備で公金の負担を疑問視する声や、ギャンブル依存症患者が増えることなどへの懸念の声があると明記しています。忠岡町議会でも9月29日に慎重審査を求める意見書が可決されました。これらはカジノ反対の世論の広がりを反映しています。
大阪市北区でビラを受け取った方が、連絡会に100万円のカンパを寄せてくれました。
私は各地の集会などでカジノ問題の講師を続けていますが、富田林革新懇の学習会に参加された方が、連絡会の「あかんカジノ」パンフを普及したいと1千部を取り寄せています。
来春の統一地方選では、維新政治が進めてきたカジノの是非が大きな争点の一つになります。40万署名の達成を軸に、「カジノ反対」の一点で府民の世論を広げるとともに、議会内外でカジノ反対を貫いてきた日本共産党が統一地方選で勝利・躍進するよう、力を尽くします。
(大阪民主新報、2022年10月16日号より)