おおさかナウ

2022年10月29日

出資企業が吉村知事に献金
大阪カジノ 疑惑の構造明らかに
府議会都市住宅常任委 うち海府議が追及

 カジノ事業者「大阪IR株式会社」に出資する大和ハウス工業が、吉村洋文知事の政治団体のパーティー券を購入していたことが分かりました。予定地・夢洲(大阪市此花区)の開発を巡り、吉村知事を巻き込む疑惑の構造が浮かび上がります。日本共産党の、うち海公仁府議が21日の府議会都市住宅常任委員会で指摘しました。

40万円のパー券が

質問するうち海府議=21日、府議会

 「知事は大和ハウス工業と特別な関係はないか」。うち海氏の問いに吉村知事は「ありません」と、いったんは認めませんでした。
 うち海氏はそこで吉村知事の政治団体「友洋会」の収支報告書に、2019年1月15日、大和ハウス工業による40万円のパーティー券購入の記載があることを示しました。
 大和ハウス工業は20年11月に、府と包括連携協定を結んでいます。また夢洲駅周辺の開発について、芳井敬一社長は「それらの事業にぜひ関与したい」(「産経」大阪朝刊1月8日付)などと、意欲を示しています。

特別顧問の和泉氏

 一方で、大和ハウス工業のアドバイザーを務める和泉洋人氏が、ことし1月1日付で大阪府市の特別顧問に就いています。和泉氏は安倍・菅政権で首相補佐官を務めた人物です。「しんぶん赤旗」日曜版が6月に報じました。
 吉村知事は和泉氏を特別顧問に選んだ経緯を「松井(大阪)市長と協議して決めた」と説明しました。また「和泉氏がどこのアドバイザーか、府が関知するものではない」「調査する必要はない」と述べました。
 うち海氏は「和泉氏は夢州開発に関わる府市の秘密情報を手にしている。極めて不適切な関係だ」と指摘しました。

知事は関係を断て

 うち海氏は「関係を断つことが行政の透明性、公平性確保の上で必要だ」として、①和泉氏の特別顧問委嘱を解除②大和ハウスと府の包括連携協定を解除③知事は40万円を大和ハウスへ返金――の3つを迫りました。
 吉村知事は「なんの問題もない」「解任は考えていない」と拒みました。
 うち海氏の質問後に、吉村知事が何度も「何が疑惑なのか」など発言を繰り返し、委員長に止められる場面がありました。

事実上の企業献金 自民と体質同じ
政治資金問題に詳しい上脇博之神 戸学院大教授

 大阪維新の会は癒着やしがらみを断つとして、企業献金を批判しています。ところが、実質的には企業献金であるパーティー券を売っている。自分たちの批判が、そのまま自分たちに当てはまることになります。
 金額も40万円。仮に1人2万円として20人分。普通は1企業から1~3人しか行きません。実質上の企業献金を受け取っているという自覚はあるはずです。
 維新は万博やカジノで、新たな利権をつくっています。そこに群がる企業にパーティー券を買ってもらっている。自民党と体質は同じ。それが維新の隠れた一面なのです。

大阪カジノを巡る疑惑の構造
うち海公仁府議の資料から作成

大和ハウスが吉村知事のパーティー券を購入 吉村氏の政治団体「友洋会」の収支報告書(2019年分)から

(大阪民主新報、2022年10月30日号より)

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