『時代をつないで 大阪の日本共産党物語』
出版に寄せて
新日本婦人の会大阪府本部会長 杉本和さん
誰一人取り残さず、核兵器のない平和で公正な社会を、草の根から行動し政治をタブーにせず社会を動かす女性団体として、新日本婦人の会(新婦人)は今年創立60年目となります。
黒田府政が誕生した時、2千項目を掲げて500人で知事交渉をしたり、ノック知事のセクハラ事件に対し、女性が共同して連日府議会へ足を運び退陣に追い込みました。また橋下大阪市長(当時)の「慰安婦暴言」に「さよならパレード」をやった共同の運動は今も続いています。
今では当たり前になった子ども医療費無料化ですが、〝新しい当たり前〟をつくる女性団体として、〝トイレットペーパーのように個室に生理用品を〟など、ジェンダー平等の世界をつくるため問い掛けていきたい。
私自身は1979年、高校1年の時、総選挙で躍進した当選者の名前に花を付ける役を頂きました。吉井英勝さんが参院選で勝利した89年春に、民青の専従になりました。ノック知事への抗議行動の時は、保育所のお母さんたちから「今日もテレビに出てたね」と声を掛けられるなど、自分史を重ねて(『時代をつないで』を)読んでいます。
7月20日に亡くなった父・柳河瀬精(ただし)は晩年、治安維持法同盟の研究者としての活動をライフワークとしていました。今回出版にあたり、若い人が話を聞きに来てくれたことは、足が悪く出歩けない父にとって良かったと思います。
母の短歌を紹介します。「治維法の戦後の流れ正しゆく 夫の一文しかと読みおり」「国会の図書館に夫は出かけゆく 一行を書くその確認に」――夫婦二人三脚で地域の共産党を大きくしてきた2人でした。無名の無数のたたかいが今日をつくっています。
いよいよ来春、維新との直接対決が待っています。女性団体としても、歴史を前に進めるために、若い皆さんと一緒に「社会を変えるのは私たち」と声を挙げていきたい。ご一緒に頑張りましょう。(9月24日の出版記念会でのスピーチより)
(大阪民主新報、2022年12月4日号より)