夢洲のカジノ用地 PCB含む土砂を埋め立て
土壌汚染調査へ指導すべき 参院環境委 山下芳生参院議員が追及
日本共産党の山下芳生参院議員は6日の参院環境委員会で、大阪のカジノを核とした統合型リゾート(IR)予定地である大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)の土壌汚染問題と液状化対策で質問しました。
山下氏は、PCB(ポリ塩化ビフェニール)は発がん性などと共に「難分解性」のある有害物質だと指摘。大阪市が公害防止対策事業として除去対策を始めた1997年以前は、大阪湾の底質のPCBは除去されないまま長期間残留し、しゅんせつ土砂として夢洲に大量に投入されていることを明らかにしました。
山下氏は、大阪市はIR事業者から汚染土壌の対策を迫られているが、処理する汚泥にPCBは含まれているのかと質問。国交省はIR予定地では「これまでの調査でPCBは検出されていない」と答弁しました。
山下氏は、調査したのはIR予定地に隣接する1地点だけだと強調。11月10日の現地調査で大阪港湾局の担当者が、しゅんせつ土砂の埋め立て履歴について「分からない」と説明していることも示し、「どういう形で埋め立てられたかも分からないのに、PCBはないもとして工事をするのは危険だ」と力説し、IR区域の調査を求めました。
政府のIR推進本部の一員である西村明宏環境相は、「安全性に適合するようにするため、必要なら自治体などの調査に協力しながら進める」と答弁。山下氏は、猛毒のPCBが含有されているなら土壌汚染対策は大きく変わるとし、政府として指導するよう求めました。
山下氏は、夢洲は深い層まで軟弱地盤であり、地下70㍍以上の支柱を打っても先端が破壊される「側方流動」という現象が起きるとの専門家の指摘も紹介。IR用地の液状化対策として大阪市が負担する約410億円は埋め立て層だけで、「それで間に合うのか、危惧がある」と述べました。
(大阪民主新報、2022年12月11日号より)