2022年12月10日
宮本岳志のよもやま話
生い立ちにルーツの賭博反対
今国会も私は「夢洲カジノ計画」の賃借料不正疑惑を暴くなど、カジノ反対の論陣をはってきました。
私の賭博反対の思いは生い立ちにルーツがあります。
私は、映画化もされた小説「岸和田少年愚連隊」で有名な、春木という街で育ちました。春木にはかつて「春木競馬」があり、今も「岸和田競輪」があります。
小学生のころランドセルを背負って春木駅に通りかかると、耳に赤鉛筆を差し、片手にカップ酒を持ったおっちゃんらが車座になっていて、「僕、僕」と手招きするのです。
こわごわ近づくと、なんと「10円ちょうだい」と言うのです。飛んで逃げ帰りましたが、幼い日の忘れられない光景です。
今は亡き私の母は馬券や車券を売る仕事で、競馬場や競輪場に勤めておりました。
ある時、母が私を呼んで、「岳志、競輪競馬だけはするなよ」と言ったことがありました。自分らは毎日券売りの仕事で全部のレースを見ている。「これが絶対くる」と予想するが、当たらない。「目の前で家一軒失う男を何人も見てきた」と言い、「あんなもんが、もし当たるんやったら、私ら仕事せんと券を買うわいな」とまで言われ、なるほどなと思いました。
「わからんやろと思て、コソッと来るなよ、窓口の人はみんな私の友達やから、必ず私に教えてくれるからな」と母。おかげで私はこの年になるまで券を買ったことはありません。
大阪にカジノはいらん。亡くなった母も言うとります。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 次回は1月15日号に掲載)
(大阪民主新報、2022年12月11日号より)