維新政治と対決・転換
大阪の日本共産党
1 大阪つぶしにノー 論戦・共同・草の根の力で
「大阪都」構想が、2015年の住民投票に続き、2020年11月に再び否決されました。松井一郎大阪市長は任期満了で「政界引退」「党員もやめる」と表明。2015年の住民投票後の橋下徹氏(当時大阪市長)に続けての退陣です。
「都」構想は、大阪市を廃止し、権限・財源を府に吸い上げ、強い力を府知事に集中させ、「一人の指揮官でやりたい放題」の体制をつくろうというものでした。
日本共産党は、「都」構想に賛成の人も、反対の人も「大阪市を良くする道は?」を共に考えようと訴え、情報提供と対話を広げました。
「特別区にされると毎年200億円もの財源不足」「設置コストが15年間で1300億円かかる」ことを明らかにし、「市民サービス低下は避けられない」「大阪市を残してこそ命と暮らしを守るまちにすることができる」との論戦を展開。テレビや公開討論会では、山中智子市議団長らの訴えが茶の間で広く共感を集めました。
また、市民と野党共闘の「懸け橋」として共同の推進役を担いました。
批判招いた攻撃
維新は、公明党を屈服させ、数の力と資金を背景に、大量のビラやテレビコマーシャルを重ね、反対意見を「デマ」「誤報」と決めつける攻撃を繰り返しました。
「デマに対する回答」を大阪府市副首都推進局にやらせるなど、大阪市役所を「維新出張所」にしました。
毎日新聞の「大阪市4分割ならコスト218億円増 市財政局試算」報道を、松井市長は「誤報」「ねつ造」と、メディアや財政局を攻撃。強権ぶりをあらわにしました。しかし、逆に大きな批判を招きました。
民意をねじまげ
住民投票での否決直後、維新は、民意をねじまげ、大阪市がもつ「成長戦略」「都市計画」の権限と財源を府に移す「広域行政一元化条例」を制定。「『都』構想の試金石」としてきたカジノなど大型開発に暴走しています。
これにストップをかけ、住民投票で示された願い―福祉・医療・教育・防災・中小企業支援に力を注ぎ、真の経済成長をとげる大阪づくりのためには、日本共産党の前進、躍進が不可欠です。
2 新型コロナ対策 病床削減止め保健所強化
コロナ禍で、大阪では「未治療死」という言葉さえ生まれ、検査も受けられず、治療もされず、救える命も救えない事態を招きました。
おおもとには自公政権が社会保障の予算を抑制・削減する新自由主義の政治を続け、感染症病床や保健所を半分にまで減らし、医師数の抑制、病床削減、病院の統廃合を続けてきた問題があります。
検査キット配布
日本共産党は、新自由主義の政治をおおもとから転換させ、感染症病床、救急・救命体制への国の予算の2倍化、公立・公的病院の削減・統廃合の中止、保健所予算の2倍化で保健所数・職員増で、命を守る政治の展望を切り開きます。
大阪で、病床減らしを中止させ、保健所の増設と職員の大幅増をはかります。緊急時に医療崩壊、保健所崩壊を起こさせず、無症状者のすみやかな検査、感染者の保護、治療が受けられる体制を構築します。
最近も、府議会での日本共産党の提案が実り、大阪府が新型コロナの抗原検査キットを9歳以下の子どもがいる家庭に無料配布するなど具体的な施策を実現しています。
維新は、自公政権に病床削減をけしかけ、大阪で病床削減、住吉市民病院廃止等病院つぶし、保健所職員削減を進めてきました。そのもとでコロナの死者数は大阪が全国最多という事態を招いています。
国会で、病床削減計画を「2025年(達成)では駄目。前倒し(達成を)」と主張。大阪では、コロナのもとで急性期病床の削減・回復期病床への転換をし、22年度も934床もの削減・転換をすすめています。(図)
提言反し職員減
保健所職員も09年の新型インフルエンザ対応総括会議報告で、「組織や人員体制の大幅な強化」が提言された後も強化はされず、大阪府の今の9保健所で見ると、逆に11年の524人から20年の483人へと減らされています。
270万もの人口に保健所が1カ所しかない大阪市では、市医師会が「職員増員を切望するとともに各区保健所の復活」をと24カ所にするよう求めています。市は「コスト増加」を理由に24保健所復活を拒否しています。
無症状者を含めた検査でも、維新は「一律に行うことは、国の分科会でも推奨されていない」「症状のない検査を無差別にやるのは、どこまで感染症対策になるのか、懐疑的」(吉村洋文知事)と背を向けてきました。
命と健康を守ることができない維新政治の姿が鮮明です。
3 カジノ誘致 破たんは鮮明、でも固執
維新は、「カジノは成長戦略の起爆剤」と主張。「カジノ推進法」「カジノ実施法」を自公維で成立させました。そして、「カジノは都構想の試金石」などと推進し、21万もの署名が集まった「住民投票を」の声をふみにじり、今年4月には、大阪誘致計画の認可を国に申請しました。
強行も問題次々
大阪カジノは、人の不幸を踏み台にしての「成長戦略」という根本問題に加え、廃棄物やしゅんせつ土砂で埋め立てた夢洲(ゆめしま)につくることから、地質学の専門家などから軟弱地盤で大きい建物は無理、つくるべきでないと指摘されてきました。無視して強行したものの、液状化・土壌汚染・地盤沈下問題が表面化。松井一郎大阪市長らは「一円も税金を使わない」との言明を覆し、土壌対策費788億円を公費負担すると発表。今後の地盤沈下対策も、市が負担すると表明。公費負担は青天井です。関連事業費も4000億円以上の上振れ。破たんぶりと無謀さが鮮明になっています。それでも維新は、カジノにしがみつき、強行しようとしています。
日本共産党は、国会でカジノ2法案の阻止、野党共同の「カジノ法廃止法案」提出など、一貫してカジノを許さないたたかいを展開してきました。「しんぶん赤旗」日曜版の〝大阪市がカジノ事業者に貸す用地の賃料を不正に値引き、その額35年間で計500億円〟等のスクープ記事を連打し、「認可するな」の声を広げています。
府内の市町村議会でも徹底追及。堺市議会などで国に誘致計画の「慎重かつ厳正な審査を求める意見書」を可決させています。
連帯し追い詰め
「カジノ反対大阪連絡会」など、さまざまな市民団体・個人と連帯した運動に力を尽くしています。
「明るい会」の「1000人ネット調査」では、誘致反対40%、賛成は28%とこれまで以上に賛否の差が拡大。「吉村知事支持層」でも反対が28%。理由欄には「賭博(とばく)は賭博であり、そんな人間が増えることは絶対反対です。博打(ばくち)で金もうけしょうという大阪府の姿勢が大嫌いです」「この件だけは維新にも知事にも断固反対する。税金投入に反対です」と記されるなど、維新を追い詰めています。
4 子育て支援 医療・学校給食無料こそ
乳幼児医療を含む福祉4医療制度に1回500円の自己負担が導入されたのが2004年。2008年に就任した橋下徹知事は、自己負担を800円にするなどの改悪案を打ち出しました。これに対し府医師会など医療関係者らが「現行制度維持」を求める署名に立ち上がり100万人分の署名が府議会に提出されました。
その後の粘り強い運動で、子ども医療の対象は就学前までこぎつけますが、「18歳までの対象年齢引き上げ」「自己負担ゼロ」を求める日本共産党に、吉村洋文知事は「受益と負担の適正化から困難」と背を向け続けています。
無償化の流れに
学校給食無償化について、吉村知事は「共産党の主張だよ。ちょっとひどい。財源論を無視」(19年3月18日)とツイッターで悪罵(あくば)を投げつけてきました。
いま、日本共産党が住民とともに繰り返し求めてきた学校給食の無償化が、府内でも実現する流れができています。小中学校ともに制度化された田尻町(18年度~)と千早赤阪村(22年度~)、中学校のみ無償の高槻市(14年度~)。
また国のコロナ対策や物価高騰対策の交付金を活用し、22の自治体(11月25日時点)で実施。多くは来年3月末までですが、物価高騰が重くのしかかる今こそ、大阪府が市町村を支援し、すべての市町村で学校給食を無償化することが急務です。
高校廃校に批判
全国43都道府県が独自に少人数学級を実施するなか、大阪府は実施に背を向け続け、全国でも四つしかない都道府県独自の少人数学級未実施県の一つとなっています。
そればかりか、中学生だけでなく小学生にも府独自テストを実施するなど、子どもたちを行き過ぎた競争に追いやっています。このもとで大阪の子どもたちの〝荒れ〟は深刻です(図参照)。現状に、公立小学校の校長からも異論がでています。
また、3年連続定員割れの高校を廃校の対象とし、この10年で17校の廃校を強行。その結果、「近くに通える高校がない」子どもが増えているという声があがっています。維新の阪南市長も、市内に高校がなくなり地域を壊すと批判の声を上げています。
維新は現在約150の府立高校を、さらに100校にまで減らし、民営化さえ主張しています。
5 社会保障 切り捨てか、拡充か
「くらしの施策で、今後、大阪府が力を入れるべき施策は?」との問いに、1位は「国民健康保険料の軽減」、2位は「介護保険料の軽減」でした。明るい民主大阪府政をつくる会(「明るい会」)の1000人ネット調査の結果です。(グラフ)
公費で引き下げ
これまでも、高すぎる国保料、介護保険料の軽減を求める声は大きいものがありました。物価高騰のなかで、その願いは切実です。大阪市の国保料は「給与年収400万円の4人世帯(40歳未満、子どもは小学生以上)」世帯で45万円にもなっています。介護保険料も大阪府では、加重平均で制度創設時(2000年)の3134円から、第7期(18~20年度)の6636円へと倍増しています。
日本共産党は、国保では、全国知事会も求めてきた公費の投入を1兆円規模で増やし、保険料を引き下げること、介護では、大幅に削減された国庫負担率を10%増やし引き下げることを主張。また大阪府や市町村が一般会計から国保会計や介護保険会計に繰り入れし、保険料を軽減するよう、住民と力をあわせ運動しています。
維新は削減迫る
維新は、「社会保険への過度な税投入を是正」と主張するなど、国保や介護への公的支出の削減を主張。大阪府は、議会で市町村の国保料軽減などのための一般会計からの繰り入れを〝税の公平性から問題〟〝保険は加入者で成り立たせるのが大前提〟と批判し、市町村に〝やめよ〟と迫っています。
大阪府の市町村国保への法定外補助金も20億円(09年度)から9億円(21年度)へと激減させています。
介護では、17年の「一定以上の所得の利用者の介護保険利用料を3割負担に」する改悪に賛成し、大阪府では、「市町村が独自に行っている介護保険料や利用料の減免制度への支援を」の願いを踏みにじっています。
特別養護老人ホームは、「入所の必要性が高いと考えられる者」が6492人に上るなど深刻です。
日本共産党は「広域型特別養護老人ホームへの建設補助金を09年度水準に戻し、待機者解消を進める」よう繰り返し迫っています。維新府政は拒否しています。
6 落ち込む地域経済 賃上げか賃下げか
日本は世界で特異な「成長が止まった国」になっています。大阪はそれ以上の停滞です。
日本共産党は、おおもとにあるリストラと非正規雇用の拡大による「賃下げ政策」をただし、賃上げを軸に実体経済の立て直しを提起。大企業の内部留保に課税し、賃上げや「グリーン投資」に回す分を控除して大企業の労働者の賃上げの促進や、課税で生まれる10兆円で中小企業の賃上げを支援し、最低賃金の1500円への引き上げに奮闘しています。
首切り自由の国
維新は、非正規雇用の拡大や金さえ払えば解雇できる〝首切り自由の国〟づくりなど、賃下げ政策を主張。かつて「最賃制の廃止」まで公約しています。
カジノ頼みの「成長戦略」にしがみつき、カジノ等のための公共事業に巨費を投入しています。
しかし、公的資金投入の経済波及効果は、医療や介護、保健衛生の方が大です(図)。カジノのための投資から、安心の社会保障への投資への転換こそ、大阪経済立て直しの確かな道です。
三つの危機直面 中小企業は、大阪経済をになう最も重要な存在です。ところがいま、コロナ禍、物価・原材料費高騰、過剰債務の「三重苦」で大量倒産・廃業の危機に直面しています。
日本共産党は、インボイス(適格請求書)中止、コロナ対応融資を「別枠債務」にし、事業継続に必要な新規融資が受けられるようにするなどの抜本的支援強化で、倒産、廃業の危機を打開します。大阪で家賃、人件費など固定費の補助制度の創設等の支援をすすめます。
中小企業つぶし
維新は、「つぶれるものをつぶさないと経済の邪魔になる」という「自己責任」論、「中小企業淘汰(とうた)」論に立ち、中小企業の廃業を促す「産業競争力強化」法を絶賛。インボイスの中止に反対しています。
大阪で「中小企業に(お金を)ばらまいても大企業に競争力をつけさせないと中小企業の売り上げはのびない」と中小企業予算を削減。コロナ禍で苦境にあえぐ商店街への支援強化を求められても「基礎自治体(市町村)にしっかりと支援いただく」と言い放っています。
7 ジェンダー平等 多様性が輝く社会へ
日本共産党は、ジェンダー平等を実現するカギは、経済的な不平等をなくすこと、〝生涯で1億円〟もの男女の賃金格差をなくすため国会でくりかえし「企業に格差の公表義務づけを」と要求し、実現させました。さらに女性が多い介護・福祉・保育などケア労働の賃金引き上げなど働く場でのジェンダー平等に奮闘しています。
大阪府議会では、石川たえ府議が性暴力被害者の初回受診料への国の補助制度を府が活用せず、被害者に医療費補助を行わないことについて議会質問や当局への直談判で繰り返し求め実現しました。
日本共産党はジェンダー平等、性的マイノリティーの権利拡充にさらに力を尽くします。
▼目を背ける維新
「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准」を求める請願は2016年まで参院で全会一致で採択されてきました。ところが、17年に維新が「採択はサンフランシスコ市で慰安婦像の設置を応援することに」なると「保留」。不採択にされました。
13年、当時の橋下徹大阪市長は「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と暴言を吐きましたが、戦前日本が、他国の女性を「従軍慰安婦」とし、彼女たちの権利を蹂躙(じゅうりん)した歴史を認めず、目を背け続けているのが維新です。
▼許可を取り消し
吉村洋文知事は、大阪市長時代の18年、旧日本軍「慰安婦」像を設置した米サンフランシスコ市を批判、60年以上続いてきた姉妹都市を解消。19年あいちトリエンナーレでは、「慰安婦」をモチーフとした「平和の少女像」に「反日プロパガンダ」と悪罵(あくば)を投げつけ、昨年7月に府内での展示会場使用許可を取り消しました。
「女性はいくらでもウソをつけますから」「LGBTのカップルは『生産性』がない」などと女性や性的マイノリティー蔑視発言を繰り返してきた杉田水脈衆院議員を、最初に国会に送り込んだのは維新です(のち自民党議員)。維新の比例票で当選した1期目から「男女平等」は「反道徳の妄想だ」などと異様な主張を展開していました。
8 気候危機打開 問われる府の取り組み
日本は世界第5位の二酸化炭素(CO2)排出国でありながら、削減目標は世界平均を下回り、世界に後れをとっています。国への働きかけとともに、自治体のとりくみが問われています。
▼市町村支援なく
府は温室効果ガス排出量を2030年度までに40%削減(13年度比)を目標としますが、具体的取り組みとしては、「エネルギー使用量等の見える化」「キャンペーンやセミナー等の普及啓発」「企業への表彰や経営指導、講習会、情報提供」など、市民への「啓発事業」がほとんど。府の「自然エネ・再エネ関係」予算は年間わずか421万円(21年度)。府民1人あたり約0・5円しか使われていない計算です。東京都が「ゼロエミッション東京」めざし687億円の予算を投じているのと対照的です。
府内10市町で実施されている住宅用の太陽光発電設置事業補助や、地区集会所への太陽光発電(寝屋川市)、住宅用再エネシステム設置補助制度(豊中市)、省CO2設備導入事業補助(茨木市)など、市町村の取り組みを後押しする支援策は大阪府にはありません。
東日本大震災を機に16年から実施が始まった太陽光パネル設置への補助事業は18年度で廃止。今は「クレジット事業」だけです。市民や団体の自主的な取り組みやそれを支援する自治体を後押しすることが求められています。
▼再エネと省エネ
日本共産党は昨年9月「2030戦略」を発表。石炭火力・原発最優先のエネルギー政策から再エネ・省エネへの社会経済改革を行い、30年度までにCO2を5~6割削減する道筋を提案しました。
維新は、破局的な温暖化が進む要因の石炭火力も「30年までの廃止」に反対し、「フェードアウト(段階的削減)」と言っていた原発の「再稼働」をけしかけています。
府・大阪市が策定する「おおさかスマートエネルギープラン」では原発について「最終的にはゼロを目指して、その依存度を可能な限り低下させていく」としています。一方で「おおさかスマートエネルギー協議会」に毎回参加する関西経済連合会は今年3月、エネルギー供給不安を口実に「原発の早期再稼働」や「石炭資源の賢い活用」「小型原子炉の開発・活用」を提言しています。原発や石炭火力への固執勢力に対しノーと言える府政への転換が切実です。
9 「核共有」「大軍拡」 平和の野党外交こそ
岸田自公政権が①「敵基地攻撃能力」保有②「5年間で兆円」の大軍拡③財源は増税で―と危険な暴走を始めています。暮らしを破壊し、憲法を破壊し、平和を破壊する「戦争国家づくり」を許してはなりません。
▼逆流の「震源地」
「維新の大阪」はその危険な流れへの「震源地」の一つになっています。
10月8日、臨時国会衆院本会議で維新の馬場伸幸代表は、「今国会は憲法改正議論が軌道にのるかどうかの試金石」「いつまでに国会発議するのか明確に」と改憲をあおりました。その翌日、参院本会議では浅田均議員が「専守防衛という非現実的な政策をいつまで墨守するのか」「『目には目を』『核兵器には核兵器を』というのは原則に反するものではないので、核弾頭・非核弾頭両用のものを保持すべきとの意見もある」と述べ、被爆国日本の政党の資格を疑わせる演説をしてみせました。
大阪では大半の自治体が「非核自治体宣言」を行っており、この立場からプーチン大統領の「核使用宣言」に対し抗議をつきつけました。その中には「維新公認市長」も少なからず含まれており、維新の立場が府民の願いとは両立しがたい矛盾をさらけだしています。
「外交ビジョン」
日本共産党は「戦争させない、9条変えるな」。この一点で揺るがない府民多数派、国民多数派をつくり、改憲・大軍拡を阻止するために全力をあげています。その抜本的対案として、9条をいかして東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」を掲げ、その実行を求めて行動しています。
11月に開かれた「アジア政党国際会議第11回総会」で、日本共産党から参加した志位和夫委員長は「戦争の心配のないアジア、核兵器のない世界」と題し発言し、総会への提案をおこないました。この提案も生かされ、採択された宣言には、「われわれは共通の課題解決には集団的な対応が必要であるから、ブロック政治を回避することの重要性を強調し、競争よりも協力を強調した」と明記されました。
本来日本政府がおこなうべき外交努力を、「野党外交」として現実の世界政治に働きかけ、日本共産党の真骨頂を示しています。
10 統一協会 癒着断ち被害者救済を
正体を隠した伝道活動、霊感商法と高額献金、当事者の意思を無視した集団結婚―数々の反社会的活動をおこなってきた「統一協会」と自民党との癒着が日本の政治の根本を問う大問題になっています。山際大志郎経済再生担当相をはじめ次々と閣僚が辞任に追い込まれるなかで、岸田政権の支持率は下がり続け、政権危機の「危険水域」になっています。
実効性ある制度
臨時国会で被害者救済法案が成立したものの、被害の実態に照らして極めて不十分です。日本共産党は、これをただちに見直して、①実効性ある救済制度をつくる②統一協会の解散命令を請求する③自民党と統一協会の癒着を徹底追及し、政治の闇を一掃することを強く訴えています。
維新は、統一協会と政治との癒着問題はダンマリです。それもそのはず、馬場伸幸代表が統一協会系の新聞「世界日報」に、この5年間では政治家として最多の3回も登場するなど関係を深めてきました。
統一協会と関係をもってきた政治家として、他にも維新の藤田文武幹事長、足立康史、中司宏、高木佳保里の各国会議員らが名を連ねます。大阪市議会議長まで務めた維新の大内啓治市議は統一協会の信者だったことを明らかにしました。
徹底してたたかう
これにたいして、日本共産党は大阪でも、1979年の知事選や2000年の知事選、総選挙などで彼らがおこなった謀略に対して徹底してたたかってきました。
国会でも正森成二、橋本敦氏ら歴代大阪選出衆参議員が統一協会追及の論陣を張ってきました。
メディアでも、「旧統一教会の内実と、政治との癒着を暴く報道は日々放たれているが、勝共連合との対峙(たいじ)以来、この組織の反社会性を最も訴えてきたのは日本共産党であろう」(『サンデー毎日』11月6日号)などと語られています。
日本共産党の勝利・躍進こそ、統一協会の謀略や自民党との癒着の闇をただす道です。
(この連載は、日本共産党大阪府委員会政策委員会が担当しました)
※この記事は、「しんぶん赤旗」近畿面 2022年12月3日、6日、7日、9日、13日、14日、16日、17日、20日、21日に連載されたものです。