おおさかナウ

2022年12月24日

カジノに反対する大阪連絡会
「国は認可するな」 カジノ阻止へ政府と意見交換

 本紙12月18日号で既報の通り、カジノに反対する大阪連絡会の上京団が13日、大阪のカジノ誘致計画を認可しないよう国に求める要請署名の第3次分1万4957筆を岸田文雄首相、斉藤鉄夫国交相宛てに提出しました。署名数は累計12万3174筆に。上京団は提出に続き、国交省はじめ関係省庁と意見交換しました。

カジノ誘致計画を巡って関係省庁と意見交換する大阪連絡会の上京団=13日、東京・参議院会館内

指摘を受けて専門家を委嘱

 認可を巡る一大争点となっている夢洲のカジノ用地の土壌・地盤問題。大阪連絡会は9月に第1次署名を提出した際の意見交換で、誘致計画を審査する審査委員会(7人)には土壌問題の専門家がいないと指摘していました。これらを受けて国は、10月28日付で地盤工学、津波・高潮の専門家計3人をオブザーバーとして委嘱。観光庁の担当者は、「夢洲の地盤沈下、液状化、津波、高潮について、専門的見地を含めて十分、丁寧に審査する必要がある。内容によっては詳細データも必要になる」と答えました。

PCB汚染も大きな焦点に

 発がん性のあるPCB(ポリ塩化ビフェニール)による夢洲の土壌汚染も大きな焦点になりました。大阪市はカジノ用地内に隣接する1カ所だけのボーリング調査だけで「PCBは存在しない」と主張しています。
 連絡会は11月の意見交換で、夢洲に投棄されたしゅんせつ土砂の「濃度計量証明書」を国に提供。しゅんせつ土砂の成分を検査した会社が大阪市港湾局に提出したもので、環境基準の28倍ものPCBが検出されたことが明記されています。
 今回、初めて意見交換した環境省に対し連絡会は、港湾局やIR推進局がカジノ用地で何本もボーリング調査していることや、その土壌サンプルで汚染物質の調査ができることを指摘しました。これを受けて環境省は、大阪市に資料提出を求めているが、まだ提出されていないものもあり、なるべく早く出してほしいと答えました。

カジノ用地の疑惑を巡って

 カジノ用地の低すぎる賃料や不動産鑑定を巡る談合疑惑も、11月の意見交換に続いて論点となりました。賃料は、誘致計画を認可する前提として必ず満たさなければならない「要求基準」に関わる重大問題。衆院総務委員会(10月27日)で日本共産党の宮本岳志衆院議員が談合疑惑を追及したのに対し、国交省は「一般論として不当鑑定だ」と認めています。
 9月の意見交換で国側は「違法行為が発覚すれば、認可後でも取り消す場合がある」と回答。今回、連絡会が認識をただしたのに対し、国交省の担当者は、現時点では「違法と認定されていない」「程度の問題」などと述べ、まともに答えませんでした。

認可の遅れは運動の反映
目標40万筆の署名さらに

カジノに反対する大阪連絡会 中山直和事務局次長

  大阪府・大阪市は誘致計画の認可の見通しについて、当初の「夏ごろ」を「秋ごろ」に変えましたが、現在も審査は続いており、越年するとのマスコミ報道も出ています。
  私たちやカジノに反対する多くの人たちの取り組みの成果であり、夢洲の土壌問題の深刻さを国に伝える活動が反映しています。
  同時に、今回の意見交換では、国交省の担当者はカジノ認可を推進する姿勢がにじみ出る発言を繰り返しており、私たちの運動を、さらに広げる必要性を再確認しました。
  大阪のカジノ誘致計画を認可しないよう国に求める署名の目標40万筆を必ず達成することをはじめ運動を強化し、必ずカジノを止めようではありませんか。

 

(大阪民主新報、2022年12月25日号より)

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