平和な港に軍艦はいらない
米強襲揚陸艦が大阪港入港
平和諸団体が抗議行動
米海軍の強襲揚陸艦「アメリカ」(満載排水量4万5570㌧、全長257・3㍍)が20日から23日まで、大阪港に入港しました。大阪港への米軍艦の入港は、2016年2月の揚陸指揮艦ブルーリッジ以来、7年ぶり。「大阪港は平和な国際貿易港。戦争をするための船が入港することは許されない」と、大阪平和委員会、大阪原水協、非核の政府を求める大阪の会、安保破棄大阪実行委員会の4団体は20日、抗議行動を行い、大阪市の松井一郎市長と大阪府の吉村知事に入港を許可しないよう各事務局長連名で要請しました。
たつみ知事候補も訴え 「 安保3文書」で高まる危険性
強襲揚陸艦は飛行甲板を備え、航空機やヘリコプター、舟艇を使い、兵士や兵器、装備を海上から陸地に送り込むための艦船。
「アメリカ」は米海軍第7艦隊の所属で、2019年から長崎県の在日米海軍佐世保基地に配備。最新鋭戦闘機F35B(通称ライトニングⅡ)なども搭載可能で、「ライトニング空母」などとも呼ばれています。16日から3月12日まで、陸上自衛隊と米海兵隊が九州・沖縄で行っている大規模な共同訓練「アイアン・フィスト」にも参加しています。
大阪平和委員会などの要請書では、岸田政権が閣議決定で改定した「安保3文書」は、「核を含むあらゆる能力によって裏打ちされた米国による拡大抑止の提供」「既存の空港・港湾等を運用基盤として、平素から訓練を含めて使用する」と記していると指摘。これまで以上に核兵器が日本に持ち込まれる可能性や、港湾の軍事利用の危険性が高まっていると強調しています。
20日午前10時前、抗議行動が行われる中、アメリカは前部の飛行甲板にF35B6機を乗せたまま、大阪市住之江区南港南のJ岸壁に入港。抗議行動では各団体の代表がリレートークで、「この岸壁は食料品の運搬などに使われている。軍事利用は絶対に許されない」などと訴えました。
明るい民主大阪府政をつくる会の、たつみコータロー知事候補、日本共産党の長岡ゆりこ大阪市議、つじい大介大阪市議候補(住之江区)も訴えました。
たつみ氏は、岸田政権が日米融合で「戦争する国」づくりを進める中での突然の入港だと強く抗議。「『戦争する国』づくりストップへ、大阪として、自治体として政府に求め、府民の声を集めて9条を生かす国づくりへ全力を挙げる」と力を込めました。
(大阪民主新報、2023年2月26日号より)