知事候補が初のTV討論
子どもの未来にカジノはいらない
たつみ氏がきっぱり主張
大阪府知事選(23日告示、4月9日投開票)の予定候補者による初のテレビ討論が9日、朝日放送の「newsおかえり」で行われました。知事選で最大の争点となるカジノ問題では、「カジノはきっぱり中止し、賭博頼みではない、まともな経済政策への転換」を訴える、明るい民主大阪府政をつくる会の、たつみコータロー候補と、あくまで推進する現職の吉村洋文氏との対決構図が浮き彫りになりました。
経済成長せず 地域経済壊す
吉村氏が、カジノを核とする統合型リゾート(IR)をやる目的は「経済成長」と「住民サービスの拡充」だと説明したのに対し、たつみ氏は「カジノで経済成長はしない」と強調。「カジノのもうけは、本来地域経済に落ちるはずのお金だから、それがカジノ、ギャンブルに落ちることになれば、地域経済にも大きな影響を与える。地域経済を壊すカジノをやめて、別の道に行くべきだ」と語りました。
今でも日本は「ギャンブル天国」と言われている中、新たにカジノを造れば深刻なギャンブル依存の問題が出てくると指摘。「賭博の上がりで住民サービス(を拡充する)というのは、考え方そのものがおかしい」と反論しました。
吉村氏が「依存症対策に正面から取り組みながら、経済を成長させる」と述べると、たつみ氏は「カジノを造らないことが一番の依存症対策」と反論。ギャンブルの借金がきっかけで広域強盗などの犯罪に走る人が出ているとし、「そういう人をたくさんつくってしまうのがカジノだ」と語りました。
膨らむ公金投入に安い賃料
ABCコメンテーターの木原善隆氏は、懸念される点として、夢洲のIR予定地の土壌対策費790億円を大阪市が負担する問題や、IR事業者に貸す土地の賃料が安すぎると指摘されていることなどを挙げました。
たつみ氏は、790億円には地盤沈下の対策費用は含まれておらず、公金投入がどれだけ膨らむのか、まったく分からないと指摘。「かつて大型開発をやって借金をつくった行政だったが、結局、今回はカジノでそういうことになる可能性がある」と述べました。
土地の賃料は1平方㍍当たり更地価格で12万円、1カ月428円とあまりにも安く、3社の不動産鑑定の評価額がぴったりと一致することもあり得ないと強調。「鑑定評価をそのまま賃料にし、本来入ってくるかもしれないものから、(年間)15億円も少なくなると言われている」と迫りました。
吉村氏は「鑑定士が出した金額で、客観的だ」と述べただけで、まともに答えませんでした。
カジノ誘致は、いったん契約すると事業期間は35年に及ぶことから、「大阪の子どもたちに関わる問題だ」と主張。「夢洲はごみの島、ごみの最終処分場だ。本来(IRのようなカジノ施設や高層ホテルなどの)建物を建てる前提にない」と語りました。
テレビ討論には、「アップデートおおさか」の谷口真由美、参政党の吉野敏明の両氏も出席。谷口氏はカジノ問題について、「情報を明らかにして住民投票へ」と主張しました。
(大阪民主新報、2023年3月19日号より)