カジノ・命・教育
政見放送でも対決構図鮮明
9日投開票の府知事選で焦点となっている「カジノ」「命」「教育」について、明るい民主大阪府政をつくる会の、たつみコータロー候補と、大阪維新の会代表で現職の吉村洋文候補との対決構図が、政見放送でも鮮明です。
カジノは希望を奪う――たつみ氏
あくまで誘致を推進――吉村氏
NHKテレビの政見放送(3月30日)で、たつみ氏は「カジノはギャンブル」ときっぱり。ギャンブル依存症で苦しむのは本人だけでなく、家族の人生も狂わせるとし、「依存症対策というなら、カジノを造らないことこそ、一番の依存症対策」と述べました。
「カジノの税収で福祉や教育を良くする」との賛成派の主張に対し、「人の不幸を踏み台に教育や福祉を良くするなんて、間違っている」と批判。カジノ計画は、土壌汚染や地盤沈下対策で多額の公費を使い、暮らしや社会保障の大切な財源を食いつぶすものと語りました。
「カジノは止められます」と、たつみ氏。「党派や立場の違いを超えて、『大阪の子どもたちの未来と希望を奪うカジノには反対』、その声を私、たつみコータローにお寄せ下さい」と呼び掛けています。
吉村氏は「府市一体の成長戦略」の柱にIR(カジノを核とする統合型リゾート)の誘致を挙げ、あくまで推進しようとしています。
たつみ氏は、知事になれば府庁に「グリーン推進局」を創設し、再生可能エネルギーの普及、断熱効果の高い省エネ住宅拡大のための補助金を抜本的に増額するとともに、その仕事を中小零細企業や地元の工務店に担ってもらい、地域経済を活性化させると提案。「大阪の経済成長はカジノではつくれません。再エネ・省エネ日本一の大阪をつくり、気候危機を止めることこそ、一番の成長戦略」と述べています。
命守る政治取り戻す――たつみ氏
ポストコロナにIR――吉村氏
たつみ氏は、維新政治の下で公立病院がつぶされ、保健師など命を守る公務現場の職員がどんどん減らされてきたと指摘。その結果、大阪で医療崩壊が起こり、救える命が救えず、コロナで亡くなる人が全国ワースト・ワンになったと述べました。
「自治体の一番大事な仕事は、府民の命を守ること」と強調。カジノや大型開発に税金を使うのではなく、保健所を増やし、保健師を増やして、「府民の命を守る政治を取り戻します」と表明。保育士や保健師など、ケア労働に従事する人の処遇改善を実現すると語りました。
吉村氏は「府民の皆さまは、まさにコロナとのたたかいだった」「5類となるが、コロナ禍が終わったわけではありません」と言うものの、府のコロナ対策への反省はなし。「ポストコロナ」を見据えて、万博の成功やIR誘致などを進めるなどと述べました。
今こそ少人数学級を――たつみ氏
教育の現状に触れず――吉村氏
たつみ氏は「大阪の教育は危機的」と強調しました。授業料の無償化は当然だが、教育現場では子どもたちはテストでがんじがらめにされ、教員不足で教育に穴があいていると指摘しました。
「いまやるべきは、過度な競争で子どもや教員を追い込むことではなく、つまずいた児童生徒を十分にサポートできる少人数学級の実現」とし、小中高すべてのクラスで少人数学級を実現し、小学校1、2年生は25人学級を実現し、「教員が児童・生徒にもっと寄 り添うことができる教育現場をつくってまいります」と約束しました。
吉村氏は、大阪の子どもたち全員を対象に、公立や私立の授業料、大阪公立大学の授業料を無償化すると掲げるものの、子どもたちや教育現場の深刻な現状に触れずじまい。「責任ある大阪をつくり、次の世代にバトンタッチ」などと語りました。
たつみ氏は、「大阪に住むすべての人の人権を守ります」とし、府庁に「ジェンダー平等推進局」をつくり、ジェンダー平等の視点をすべての政策に貫き、誰もが自分らしく生きられる社会をつくると表明。「政治は、あなたのためにあります。私は、あなたと一緒に、新しい大阪をつくります」と締めくくりました。
(大阪民主新報、2023年4月9日号より)