カジノへの公費投入
大阪市の負担さらに増大か
地盤沈下対策負担 〝事業者と協議〟
カジノに反対する大阪連絡会がこのほど、大阪のカジノ誘致計画を巡る問題について大阪府市共同設置のIR推進局、大阪港湾局と大阪市役所内で協議しました。同連絡会が昨年11月、IR推進局に提出した「国へのカジノ誘致計画の申請撤回を求める要望書」に対する同局と港湾局からの回答を踏まえたもの。協議には同連絡会の荒田功事務局長、中山直和事務局次長や各団体の代表らが参加しました。
大阪連絡会がIR推進局などと交渉
すでに788億円の公費投入決める
大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)のカジノ用地の土壌対策で大阪市は788億円の公費投入を決めましたが、そこには地盤沈下対策は含まれておらず、大阪市の負担がさらに膨らむ可能性があります。
IR推進局・大阪港湾局は「地盤沈下対策事業は事業者において適切に実施する」「通常の想定を著しく上回る大規模な地盤沈下や陥没が生じた場合を除いて、大阪市が費用負担を行わない」と回答しています。
荒田氏らが「カジノ事業者と合意しているのか」とただしたのに対し、局側は誘致計画の認定を受けてから一連の手続きの中で協議することになると説明。事業者との協議次第で、市の負担がありうることを示唆しました。
2%が依存症に カジノ事業答弁
ギャンブル依存症を巡り、昨年3月の大阪市議会都市経済委員会で、カジノ事業者(MGM社)のエドワード・バウワーズ社長が日本共産党の山中智子議員の質問に、「2%の確率でギャンブル依存症の発症」を認めました。
IR推進局は回答で、MGM側に確認したとしてその発言を否定しています。連絡会が、確認したという電子メールなどの公文書を情報公開請求したところ、電子メールは廃棄されており、「不存在による非公開」に。荒田氏らは「電子メールは回答の根拠なのに、なぜ廃棄するのか」「ギャンブル依存症問題を軽んじている」と厳しく指摘しました。
(大阪民主新報、2023年4月9日号より)