堺市長選 5月21日告示・6月4日投開票
野村ともあき氏を自主支援
堺市政を市民の手に
住みよい堺市をつくる会 丹野優事務局長に聞く
堺市長選(5月21日告示、6月4日投開票)が迫っています。現職の永藤英機市長(大阪維新の会顧問)が2月に、再選を目指し出馬表明したのに続き、3月には元堺市議の野村ともあき氏が無所属で立候補することを表明。日本共産党も参加する「住みよい堺市をつくる会(つくる会)」は、市民本位の市政を取り戻し、維新政治を転換するため、野村氏を自主的に支援することを決め、宣伝や対話に全力を挙げています。維新の永藤市政の問題点や選挙戦の争点などについて、つくる会事務局長の丹野優さんに聞きました。
「財政危機」をあおって削減
――前回2019年の市長選で大阪維新の会公認で当選した永藤市長。4年間の維新市政をどう見ますか。
丹野 永藤市長は「財政危機」をあおり、市民サービスを切り捨ててきました。就任後、第2子0~2歳児の保育料無償化の無期延期を打ち出すなどしました。21年2月には突然、「財政危機宣言」を発表。小中学生の放課後学習支援「堺マイスタディ」や、泉北高速鉄道の通学定期補助の廃止など、子育て・教育支援策を矢継ぎ早にカットしてきました。
前回市長選で永藤市長は、おでかけ応援制度の拡充を公約していました。ところが改悪案を2度も議会に提案。市民の運動と維新以外の全議員・全会派の反対で否決しました。
コロナ禍と物価高騰で、暮らしや地域経済は非常に厳しくなっています。コロナ対策では国の交付金を使ったもの以外に、市独自のものは極めて不十分です。大変な市民生活に手を差し伸べ、支援するのが行政の役割ですが、永藤市政がやったのは全く逆の失政と言わなければなりません。
一方で、維新府政がカジノ誘致を狙う夢洲への会場交通の玄関口となるベイエリアの開発や、大山古墳を空から眺める気球事業など、市民の要望とはかけ離れたことを進めています。堺市が公共の役割を果たすのかどうか。これが市長選で問われています。
市民運動との連携を進めて
――野村ともあき氏を自主支援する理由は。
丹野 つくる会は前回の市長選で、維新が狙う大阪市を廃止・分割する「都」構想の2度目の住民投票が現実味を帯びる事態の中、無所属で「『都』構想ノー」を訴えて立候補した野村さんを自主的に支援し、野村氏はあと一歩のところまで迫りました。
その後の4年間、つくる会は、前回市長選を前に市民有志が呼び掛けた「市政を刷新し清潔な堺市政を取り戻す市民1000人委員会(市民1000人委員会)」と共同して、大阪市廃止反対やカジノ誘致を許さない運動などを進めてきました。
野村さんは、つくる会に参加する各団体の学習会などにゲストや講師として出席し、市民1000人委員会にもアドバイザーとして参画するなど、市民運動との連携・共同を続けてこられました。
20年11月の「都」構想の住民投票では、堺市民として反対運動の支援に精力的に取り組まれました。
現在も、カジノ誘致に反対の姿勢を鮮明にし、堺市内はじめ府内各地で積極的に運動を展開されています。
政策の一致と共同の意思が
丹野 維新政治を転換しなければ、市民生活が脅かされるという野村さんの強い危機感は、私たちと一致すると思います。野村さんは、永藤市長が次々とカットしてきた施策を復活し、さらに拡充することなどを重点政策の一部に掲げており、私たちの政策や要求とも一致しています。
市政運営のあり方について野村さんは「市民が納めた税金を市民サービスに還元する」「市民の生活が苦しい時こそ、住民サービスを拡充する」とはっきり述べています。この点でも私たちと完全に一致しています。
つくる会は、こうした経過や議論、運動を踏まえて、広範な市民共同を継続・発展させ、「維新による維新の市政」から「市民がつくる市民のための市政」に、「府言いなりの堺」から「自治のまち・堺」に転換するため、野村さんを自主的に支援することを決めました。
私たちが4月26日に開いた「堺市政を変えるトークアクション」には650人が参加し、熱気にあふれました。講演した野村さんは「維新市政を変えるために、皆さんの力が必要。皆さんの力を結集して走っていこう」と呼び掛けました。私たちとの共同と、リスペクトの明確な意思が示されていると思います。
政策伝え切りうねりつくる
――維新は統一地方選で伸長し、堺市長選にも力を集中するでしょう。いかにたたかいますか。
丹野 大阪府内の維新首長はさきの統一地方選を通じて20人に達しています。大阪府議会だけでなく、大阪市議会でも過半数を超える議席を得ました。しかし堺市議会で維新は大量立候補で議席増を目指しましたが、堺区、西区、南区では新人が落選。一方で日本共産党は改選時より1議席増やしています。
かつてない激しいたたかいですが、堺市で維新政治を転換するかどうかは、大阪の民主主義にとっても重大な選択。吉村洋文知事や維新に投票した人も含め、すべての有権者に政策を伝え切り、大きなうねりをつくれば、勝利の展望を開けると確信しています。大きなご支援を心から呼び掛けます。私自身も最後まで全力を挙げてたたかいます。
(大阪民主新報、2023年5月14日号より)