おおさかナウ

2023年06月03日

長射程ミサイル・自衛隊基地強靭化・戦時想定の食料増産計画…
「安保3文書」で進む「戦争国家」づくり
大阪憲法会議・共同センター  春の憲法大学習会開く

 大阪憲法会議・共同センターは5月27日、大阪市内で、春の憲法大学習会を開き、170人が参加しました。日本平和委員会の千坂純事務局長が「NO!大軍拡 YES!憲法 『安保関連3文書』に基づく戦争する自衛隊の姿」と題して講演しました。

「安保3文書」に基づく戦争国家づくりの問題点を学びあった大学習会=5月27日、大阪市天王寺区内

 千坂氏は、G7広島サミットで「核抑止力」論を正当化した岸田首相の発言や、核使用態勢強化や軍拡推進を確認した日米首脳会談、「核共有による防衛力強化」「敵対国を直接攻撃する能力保有」を主張する日本維新の会の動きを厳しく批判。敵基地攻撃能力保有は国際法が禁じる先制攻撃を可能とし、明白な憲法違反だと強調しました。
 安保関連3文書に基づき過去最大の防衛費6兆8千億円が強行され、敵基地攻撃に使用できる長射程の米国製巡行ミサイル「トマホーク」調達や、自衛隊の主要司令部地下化など国土が戦場になることを想定した軍拡予算が盛り込まれたと批判しました。
 千坂氏は民間空港や港湾などの軍事利用が狙われていると告発し、今年2月に米海兵隊の強襲揚陸艦が大阪湾にF35戦闘機を載せて入港した背景を詳述。南西諸島の軍事要塞化や全国各地へのシェルター整備、戦死傷者を想定した医療体制整備、戦時を想定した食料増産計画など全面的な「戦争国家」づくりが進められているとし、向こう5年間で43兆円をつぎ込む大軍拡で、国民の生活は根こそぎ破壊されると批判。「真実を広く国民に知らせ、大軍拡・大増税を阻止するため運動を強めよう」と呼び掛けました。
 国会報告した日本共産党の宮本岳志衆院議員は、毎週強行開催されている憲法審査会での論戦に触れて、国民の中に改憲の機運は高まっておらず、国会と民意は乖離しているとし、改憲をあおる維新や国民民主の動きを批判。入管法改悪やインボイス反対など国民の中に広がるたたかいと結び、「軍拡財源法案」「軍需産業支援法案」「原発推進等5法案」「マイナンバーカード法改定案」など悪法強行を許さず奮闘すると語りました。
 丹羽徹幹事長があいさつし、三宅良夫事務局長が国会会期末(21日)に向けた重点課題として「平和、いのち、くらしを壊す大軍拡、大増税に反対する請願署名」や6月の「9の日宣伝」など行動提起しました。
 閉会あいさつで民青大阪府委員会の園部真拓委員長は、若者の中に平和を願う意識と行動が広がっていると語り、各分野の実践と連携し、憲法9条を守る運動を進めたいと語りました。

(大阪民主新報、2023年6月4日号より)

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