橋下・維新による地下鉄「民営化」、「大阪都」構想をストップさせるため、広範な市民とともに立ち上がろう
2月24日 日本共産党大阪府常任委員会
大阪の支部、党員のみなさん
日本共産党第6回中央委員会総会決定を受け、私たちは16日に大阪府委員会総会を開きました。そこで参院選勝利をきりひらくうえでも、安倍政権による憲法9条改定をはじめとする重大攻撃を正面から打ち破るとともに、大阪では「憲法改悪と新自由主義の突撃隊」となる橋下・「維新の会」の攻撃を正面にすえて打ち破り、歴史をきりひらく大阪の使命を果たそうと決意を固め合いました。
このなかでいま大阪市営地下鉄・市バスの「民営化」・廃止問題と「大阪都」構想の本格的企てが、重大な局面を迎えています。
大阪府常任委員会はすべての支部と党員のみなさんに、橋下・「維新」のこの危険な企てをストップするために広範な市民のみなさんとともにたちあがることをよびかけます。
橋下・「維新」による「大阪市つぶし」攻撃の重大局面
橋下・「維新」は、自らの野望である「大阪都」づくりへ、1月に「法定協議会」の設置を決め、「協定書」作成から「住民投票」への日程を強行しようとしています。
また、この「大阪都」構想を先取りし、市民サービス削減の「市政改革プラン」実行を加速させ、3月市会に市営地下鉄・バスの「民営化」と切り捨て、住吉市民病院つぶしのための条例案を出し、その強行を企んでいます。
彼らは夏の参院選を照準を合わせ、大阪での「地下鉄民営化」と「大阪都」構想をやりあげ、それをテコに、「改革者」ポーズで「大阪は変えた。次は国のしくみを変えよう」と、憲法改悪への道を突き進む構えです。
この野望を許すわけにはいきません。くらし破壊、大阪市つぶしの悪政からの「防波堤」として、党の真価を発揮すべき時です。
同時に、ここで彼らの野望を食い止めるなら、橋下・「維新」の中心戦略を打ち砕くものとして、大阪と日本の政治を覆う暗雲を吹き飛ばし、政治を前にすすめる大きな転機をつくりだすでしょう。
緊急課題となる地下鉄・市バス民営化ストップのたたかい
地下鉄・市バス「民営化」は、かねてから関西財界が狙ってきたものです。大阪商工会議所は、まず100%大阪市出資の株式会社にし、その株を上場せよと提言しています。
橋下市長は、「効率化のため」といいますが、「民営化」には何の大義もなく、市民の利益にもなりません。「民営化」には大阪市会で3分の2の賛成が必要で、「維新」と公明党だけでは成立させることはできません。私たちが打ってでれば、必ず打ち破れます。
第1に、地下鉄・市バスは1933年以来、公共交通ネットワーク網を着実に整備し、市民の足を守るかけがえのない役割を果たしてきました。それは、そもそも「利益第一」の民間企業とは異なり、「公共の福祉第一」の市営交通ならではのものです。
橋下市長は、地下鉄と市バスを「民営化」で切り離し、市バスは132路線のうち43路線を廃止し、残りも民間に売り渡す計画です。これでは市民の足はズタズタにされます。
第2に、地下鉄は莫大な国費と市民の税金を投じて建設・整備をすすめてきましたが、いまや累積赤字を解消し、年間200億円前後の黒字を生み出す「優良企業」へと、市民が発展させてきた共有財産です。地下鉄が生み出す黒字によって市バスの赤字分が補填され、一体となったネットワークが維持され、ホームの安全柵整備など安全対策も推進されてきました。これを活用するなら、いますぐ料金引き下げや、市財政への還元ができるのです。そんな時、なぜ「民営化」なのでしょうか。それはかけがえのない「市民財産」を、「財界・大企業の財産」に変えるものです。
第3に、地下鉄・市バスのあり方は、市民生活と大阪の都市づくりに直結する大問題です。それをまともに市民の声を聞くことなく、「大阪都」構想にとって市営のままだと都合が悪いとしゃにむに「民営化」・廃止へつきすすむ乱暴なやり方が許されるでしょうか。
「市民の足を守れ」市民の財産を財界・大企業に売り渡すな」「市民の討論も合意もなく、橋下・維新が勝手に決めるな」と広範な団体・地域でのとりくみがすすめられ、市会でも「拙速すぎる」とわが党以外の各派からも批判が生まれています。これらの声を広げ、3月議会での議決をストップさせるために宣伝・対話、各種の集い、議員への要請などありとあらゆる行動にたちあがりましょう。
「大阪都」構想とのたたかいを3つの方向で
「大阪都」構想について、わが党はダブル選挙以来、これは大阪市のもつ権限・財源を「一人の指揮官」に吸い上げ、「成長戦略」――巨大開発、「リニア」「カジノ」などに注ぐものだときびしく批判してきました。
橋下・「維新」と公明党が「数の力」で「住民投票」まで強行しようとするなかで、協議会での徹底論戦で矛盾をうきぼりにするとともに、広く市民のなかで、この構想を打ち破るための活動を起こすことが強く求められています。支部・党員のみなさんが、次の方向で力を注ぐことをよびかけます。
「大阪都」構想そのもののウソとペテンをはぎとる
1つは、「大阪都」構想そのもののウソとペテンを明らかにし、「大阪を変えてくれる」などの幻想を広く打ち破ることです。
橋下・「維新」は、「大阪府と大阪市を一つにすれば、大阪経済が発展する」といいますが、「大阪府と大阪市があるから経済がゆきづまった」ことはまったく論証できません。しかも、その「成長戦略」は、関西財界と「オール与党」がすすめてきた「ベイエリア開発」など、破綻づくめの巨大開発や「カジノ」で外国観光客を呼び込むというものです。
「二重行政解消でムダを省く」といいますが、やっていることは住吉市民病院や府立中之島図書館などの公共施設つぶしです。
「特別区で住民サービス充実」といいますが、大阪市を解体してつくる5-7区の「特別区」には、住民サービスの財源・権限は十分に与えられず、まともな自治体とは呼べない懸念が広がっています。
「大阪都」の「地ならし」として加えられる攻撃の一つ一つを打ち破る
2つは、地下鉄・市バス「民営化」・廃止をはじめ、「大阪都」づくりの「地ならし」として加えられる、くらしつぶし、大阪市つぶしの攻撃を一歩一歩はねかえす。これと一体に、この攻撃の背景に「大阪都」構想があることを鮮明にすることです。
「市政改革プラン」による市民サービス削減も、地域振興会つぶしも、これから「特別区」をつくった際、いまと比べて大きく落ちる市民サービス水準を先取りしてすすめているものにほかなりません。地下鉄民営化・市バスの「民営化」・廃止も、「大阪都」実現へ、公共交通の面でも、大阪市の権限・財源をすべてはぎとろうというものです。
「住吉市民病院を守れ」「市バス・赤バスを守れ」「中之島図書館を守れ」「府大・市大統合反対」など一つ一つのたたかいのなかで、理不尽な攻撃の背景にある「大阪都」構想の狙いと本質を広げましょう。
どんな大阪をきずくのか――市民的な対話と共同を広げる
3つは、大阪のゆきづまりの真の元凶を明確にし、これを転換する民主的な展望をかかげ、対話と共同を広げることです。
大阪のゆきづまりの元凶は、関西財界優先政治が長年続けられてきたこと、具体的には、①97年の消費税増税が商都大阪を直撃したこと、②どこよりも激しい賃下げ・非正規化による格差の拡大、③関空・ベイエリアなど巨大開発事業の破たんが重石になっていることです。その打開のために求められるのは、「大阪都」などではありません。いまの安倍自公政権、橋下・維新がすすめる政治のカジを抜本的に転換し、市民の願いにこたえた大阪市・大阪府を実現することです。
「消費税増税ストップ、賃上げ・雇用拡大を国と大企業に働きかけ、くらしと医療・福祉の充実で格差と貧困を打開する大阪市(大阪府)を」「橋下・維新の教育つぶしを許さず、子どもたちを主人公に、いじめも体罰もなく、学ぶ喜びを与える大阪市(大阪府)を」「憲法をつらぬき、政令市としての力を生かし、24区の住民自治が輝く大阪市へ」などを掲げ、市民的討論と共同を広げましょう。
こうした3つの方向での学習・討論やつどい、宣伝、地域振興会役員との懇談、他党議員への働きかけ、橋下・「維新」の本質や「大阪都」問題の真実を伝える「しんぶん赤旗」「大阪民主新報」拡大に、力を注ぎましょう。
「いささかも甘く見ず、恐れず」を合言葉に反撃に転じよう
橋下・「維新」の攻撃は重大です。しかし、「大阪都」構想も、ダブル選挙で「大阪市はバラバラにしません」とビラをまいて「民意」をかすめとったように、何重ものペテンですすめられ、市民の基盤はもろいものです。
橋下知事就任以来の5年間について、マスメディアも「生活・経済 乏しい成果」とのべています。さらに本格的な痛みが押しつけられるなかで、くらしの苦境打開を求める市民との矛盾は、一段と広がるでしょう。
国政で安倍・自民党と一体に改憲につきすすむ姿に、総選挙で「維新」に投じた有権者から強い不安と批判の声が生まれています。
「橋下・維新の攻撃をいささかも甘く見ない。同時に恐れない」――この構えをつらぬいて、直面する地下鉄「民営化」、「大阪都」構想ストップをなしとげ、その力で参院選勝利、大阪市政・府政の根本転換へとつきすすもうではありませんか。